## ページ39
(宵闇Aside)
さむい。
どこもかしこも、寒い。
体温がだんだん抜けてく感覚が死だと言うのなら、俺はやっと死ねるのだろうか。
この選択で、間違っていなかったのだろうか。
これなら、マイキーは…幸せに、生きられるのだろうか。
そうだったらすっごく幸せ。
マイキーの幸せは俺の幸せだから、だから。
俺の選択は、間違ってなかったんだ。
これで、良かったんだ。
やっと、終わるんだ。
「A君、それでいいの？」
『ぁ、え…？』
タケミっちの声。俺の頭の中に来るなんて、俺もタケミっちのこと随分好きだったんだなぁ。
好きって言うよりかは、信用してた。頼ってた。
もう死ぬから終わりだけどね。
「それでいいのかって聞いてるんです。」
『…いい、んだよ？いいはずだよ。だって、だって、もうやっと終わりそうなんだ。これに全部、終止符を打てそうなんだ。ケンちゃんは死なないで、マイキーも幸せになれそうなんだ。』
そう、そのはず。俺はずっと、ずーっと。みんなが生きれるために、誰も死なないために。
マイキーが幸せになれるように頑張ってきたんだ。
「…A君っ…馬鹿じゃないですか…！」
『…なんで？俺、間違ったことなんかひとつも言ってないでしょ…！』
「君は…！君は、まだマイキー君に何も言ってないじゃないか！A君が死んでマイキー君が幸せになるはずあるもんか！……これで、死んでっ！A君は本当に後悔しないって言えるはず、ないだろ！」
その言葉に、ぎゅっと目を瞑った。
後悔、か。
後悔しないって思いたい。このままでも大丈夫だって。
きっと未来は安泰だって、俺はこのままでいいって、信じたい。
ああでも、わかってる。本当は、わかってるんだ。
いつだって言えなかったことが、心残りだった。
『…たまにさ、思うんだ。もしかしたらマイキーは…俺が居ない方が、幸せなんじゃないかって。俺は、みんなの足を引っ張ってるだけじゃないのかって。…彼奴に言われたことも、そうだ。…でも、君はそれを否定してくれたよね。俺は必要だって。』
やっぱり俺ってば、ダメだなぁ。
どうしてもどうしても、涙が出てきてしまう。
『今でもそれは、変わらない？みんな俺の事、待ってるかなぁ。』
俺の頭の中のタケミっちは笑って、それから。
「当たり前！」
君は俺のヒーローじゃない。
これは、現実じゃない。
…だけど、ありがとう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なんばん - すごく面白いです！ドストライクです！書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年6月2日 1時) (
レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです！！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年5月18日 2時
