#### ページ36
『しくったなぁ…アイツの存在、忘れてた。それから、ケンちゃんじゃなくて俺を襲うのも予想外だった。無駄なことばっかしちゃったかもしんない。』
アイツって、誰。無駄なことって、何。
オレはA君がしたことに無駄なことなんて何もないって信じてるよ。
A君の苦しみも辛さも全然知らない。
A君が感じてる痛みも、何も分からない。
だけど、無駄なことなんて何も無いだろ。
「そんなことないです、絶対！！雪君がなにしたか絶対聞きますから、何があったのかも全部！死ぬなんて許しませんから！！」
そうだよ、絶対聞くから。何をしたのか、同じことを繰り返さないためにも、ねえ。
死なないだろ、まだずっと、もっと、生きるだろ。
オレとA君、少し離れたところにドラケン君がいる、目の前に立ちはだかったのはやっぱり知らない奴。
「ドラケンじゃん。なんでまだピンピンしてんの……って、は？…宵闇Aがなんでそんな、瀕死みてぇな」
心底、驚いたようだった。乾いた笑いが漏れていて、明らかに想定していなかったことだというのが分かる。
誰だ、こいつ。
A君の知り合い？
「え、半間さん知らないんですか？ドラケンよりも先に宵闇Aを潰そうって話を聞いたんすけど…」
その人の隣にいた愛美愛主の特服を着た人がそう言った。
「は？オレは聞いてねぇぞそんなこと」
名前は半間？ドラケン君よりも先にA君を潰す？
最初はドラケン君を潰そうと思ってた、それはきっと本来あるべきはずだった未来だ。
だからナオトとA君に協力を求めてドラケン君を助けると約束した。
だけど、何かが変わってその矛先はA君に向かった。
何があって？
A君はここ数日で一体何をしたんだ？
「Aっ！」
マイキー君だ。マイキー君が、来てくれた。
A君、A君。来てくれたよ、マイキー君が君のために。
『…マイキーの、こえ…』
「そうですよ！A君のこと待ってる人、いくらでもいるんすからまだ死んじゃ、ダメですから！！」
いるんだ、マイキー君だけじゃない。もっと沢山、東卍のみんなも。いくらでもいるんだよ。こんなところで死んじゃうような人じゃないだろ。
『今までの中で…今回がいちばん、幸せだった気がする…よ。次もタケミっちと、会いたいなぁ』
お願いだから、縁起でもないこと言わないでくれ。
会うから、次も会うから。
まだ死なないで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なんばん - すごく面白いです！ドストライクです！書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年6月2日 1時) (
レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです！！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年5月18日 2時
