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違う、そんなことを気にしてる場合じゃない。


どろどろ、血が流れてる感覚が止まらない。

痛くないのに、苦しい。息を吸うのが難しい。



「Aっ!」

その声に思わず振り向いた。もう、視界は真っ黒で何が映ってるのかなんてわからない。


『…マイキーの、こえ…』

「そうですよ!A君のこと待ってる人、いくらでもいるんすからまだ死んじゃ、ダメですから!!」


タケミっちの声がやけに耳に残る。


『今までの中で…今回がいちばん、幸せだった気がする…よ。次もタケミっちと、会いたいなぁ』


俺だってね、できることなら死にたくない。

死にたくないよ。

だけど、体温が冷めていく気がして、意識が遠のいていく感じがするんだ。

俺はこの感覚を何度も知っている。

だから自然とわかってしまう、この先何が待っているのかを。




なんだか、夢みたいな時間だった気がする。

苦しかったり、辛かったりしたけど、でも。

いつもとは明らかに違った気がした。


ああ、ねむい。ねむすぎる。




次も、会えるといいね、タケミっち。

――――――――――――――――――――――――

(花垣武道side)


後ろのA君の息が小さくなってきた。

なんで、なんでだ。なんでこんなことになったんだ。


A君を見つけた時、A君は頭から血を流していて、よく見れば濃い色のパーカーから血が滲んでいる。

周りにはほとんどの愛美愛主の人達が倒れていて、黒い髪、黒い瞳の見たことの無い人がA君に勝ち誇ったような、オレの分からない顔をしていた。



本当に、何があったんだよ。


「っA君!!!!何やってるんだよ!!!!」

「A!!救急車呼ぶからっ、」


A君を呼んだ時、一瞬でオレの見間違いかもしれないけど、なんでか…笑った気がした。


『…タケミっち、ケンちゃん…』


か細い声が、どうにも死を示しているようで思わず声を張り上げた。


「何してんすか!まだA君はここで死ぬはずなんかじゃないでしょ!」


ドラケン君が残った愛美愛主の奴らを片付けている間にA君をおぶる。

約束したじゃないか、知ってること全部教えてくれるって。

今A君がこうなってるのも、きっとなんでか知ってるんだろ。

全部おしえてよ、何するかも教えてよ。


じゃないと、A君の行動は予測できないからわかんないよ。

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なんばん - すごく面白いです!ドストライクです!書いてくれてありがとうございます!これからも頑張ってください! (2021年6月2日 1時) (レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです!! (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だしまきたまご | 作成日時:2021年5月18日 2時

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