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タケミっちが倒れてしまった。
気づかないうちに頭を打ってたらしい。
タケミっちは病院にいるけど、マイキーとケンちゃんが喧嘩を始めた。
『マイキー』
「ん？」
『…ケンちゃんと、仲直りしよう。』
声が震える。
俺じゃ、止められない。
何回も何回も同じことを言ったから、知っている。
それでもなにか言わなきゃ気がすまなくて、このまま東卍が終わるなんて耐えられなくて。
「は？お前何言ってんの？」
『このまま喧嘩してたっていいことないよ。一人が嫌なら俺も一緒に行くから、お願い。』
この後言われることを俺は一語一句覚えている。
だから、心の準備をして、息を少し吸って。
「馬鹿じゃねぇの？いい加減にしろよ。東卍のために何も出来てねぇ癖に意見すんな」
やっぱりこの瞬間だけはいつだって泣きたくなって、喚きたくなって、死にたくなる。
息を吸うのってこんなに、難しかったっけ。
上手く息が吸えない。
『……ごめん、ね。』
痛いなんて感覚はとうに忘れたのに、マイキーからの眼差しが痛い。
心が、心臓が、痛い。
その先の言葉を見つけられずに俺はその場から逃げ出した。
溢れる涙が情けなくて、部屋の扉を思いっきり閉めた。
『っう、まいきー…どうすればっ、俺どうすれば良かったかなぁ』
わかんないよ。
止めてればよかった？
このままで大丈夫？
ねえ、誰か。
誰か、教えてよ。
もう俺充分頑張ったでしょ、なんで俺なの。
いっぱい頑張ったじゃん、なにがだめだったの。
マイキーが言った言葉は間違いじゃない。
俺はなんにもできてない。
『がんばったのにっ、がんばってるのに、おわんないの』
『たすけてよ、おわらせてよ、もういやなの』
『きらわないで、拒絶しないで、まいきー』
それから丸四日経って、だけど俺は外に出れなかった。
二回目はこれで俺とマイキーは会わなくなった。
俺は東卍をやめた。
もちろん今は辞めるつもりはないんだけれど、まだ会う気分にはなれなくて。
ため息ばかり吐いている。
ふと、チャイムの音が聞こえて。
「A君、いる？」
一番最初に家にやってきたのは、タケミっちだった。
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なんばん - すごく面白いです！ドストライクです！書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年6月2日 1時) (
レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです！！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年5月18日 2時
