働け、魔法少女！ (ページ49)

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……まぁ、私、お給料の額を見て撃沈しちゃった人なんだけども。

契約内容をしっかり確認しないタイプの私、輪堂さやは、その額を提示され、なびきつつもまだ怪しいと言って跳ね除けていたら、誰もが知るNo.1ヒーローとその更に上、ヒーロー達を統括する主の二人と面会の場を用意されてしまった。

そこでテレビで見るより少し柔和で、テレビで見た通り人の良い態度で懇切丁寧に説明されてしまっては、頷くしかないではないか。

……君には才能が有るんだとか、一緒に世界を守って欲しいとか、一度は言われたいセリフを羅列されちゃったらもうKOされるでしょ！！！……勿論、ちょっとは皆の役に立つ人生を生きたいって気持ちもあったけどさ。

まぁ、私がヒーローになった最初のエピソードなんてどうでもいいのだ。

今は空きっ腹に酒、ではなく軽食を入れる為に進むのみである。

お腹すいた。

「ふっふふ〜ん、ごっはん、プラントの美味しいごっはん〜！」

私は鼻歌を歌いつつ、スキップして食堂へと向かった。

食堂の入り口にはカフェによく置いてあるような、横から見ると三角の形になっている看板が置いてあった。

どうやら今日の日替わりメニューの内容が書いてあるらしい。

……ふむふむ〜、日替わり定食はミルフィーユトンカツとコンソメビーフ、春野菜サラダにお楽しみデザートかぁ。がっつり洋食だね、美味しそう……だけど今食べたら夕ご飯が入らないッ！

こればかりは如何ともし難い。外出は本来申請制のセレスティアル学園、余り規則を破りたくは無いのだ。

夕食を食べられなかったら確実に怪しまれるだろう。両方食べられない事もないが、……女子として体重が増えそうな行動は避けたい。女子力を鍛えたい。

……セレスティアル学園、お嬢様ばっかりで、しゃんとしないと浮いちゃうんだもん。

学園生活が始まったばかりであると言うのに、幸先が不透明すぎる。

生徒会への加入などという大きなミッションも課せられてしまったことであるし、私は運が悪いのだろうか？

……んんん、駄目よ輪堂さや、バイオネット！ネガティブになったって良いことないない、明るく行こう！