働け、魔法少女！ (ページ43)

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ハウトゥー歓迎会? ページ43

放課後、昨日のニイルさんとの交流から明けて、私は生徒会室で残りの分の書類整理をしていた。

部屋の中には、私の他にも数人いる。今日も殿下は忙しいらしく不在で、ニイルさんも用事で居なかった。

……ニイルさんが居ないと心細い気がするんですが。他の人たちのこともお手伝いしないといけないのは分かってるんだけど、なんだろう、話しかけにくい。殿下とかニイルさんは微妙に親しみというか、何度か話したし…………

居心地の悪さを誤魔化すように、文章に目を通す。どうやらこの書類は外出に関する注意事項のようだ。生徒会室の奥には書庫のような場所があり、そこには毎年の決算報告や生徒に配られたプリントを集めたファイル、その他にも膨大な量のプリント類が全てファイリングされて置いてある。資料室とはまた違うのだろうが、まさにセレスティアル学園の歴史の記録場所なのだ。

私の仕事はそこに収納するファイルに、書類を分類して入れていく事。がっつり事務作業である。

私自身、どちらかと言うと運動が得意ではあるが、文字も嫌いという訳ではなく、むしろ日本にいた時は週に何回か本屋に通うぐらいは好きだった。

……本を読んでる時は、人の目とか気にならないし。

「よう、サヤベル·スメットさん。ちょっと頼みたい事があるんだが、今いいかい?」

声を掛けられ顔を上げる。私が心の中でチャラ男さん、と呼んでいる人……名前は確か、エドワードと言ったか。彼が、私の座っているソファの前まで来て、顔を覗き込んでいた。

……近ッ。この人、ある意味見た目通りだけど距離感バグってない?

この学園に通う生徒は、例外なく容姿が整っている。貴族は、見た目や器量共に優れている者としか結婚しないらしいので、当たり前と言えば当たり前なのだが。イケメンが近いとそれだけで迫力がすごい。

……いや、ノイエンアールって貴族も平民も皆顔が良くないかしら?貴族の流出かなぁ、この国も近代化に遅れてて、どんどん貴族が減ってるって聞いたし………

それはそうとして、呼ばれたのならば応えなければならない。正直、こういうタイプの人は好きになれないのだが…………