銀魂王国の俺様王子と内気な姫

波乱の予感1 ページ33

「晋助、こちらの資料にも目を通してほしい」

「わかった」


万斉から資料をもらい仕事部屋で一つずつ目を通していく。
この後は議会に出なければならず休む暇はない


そんな忙しい時に


「ヤッホー シンスケ。結婚おめでとう」


新婚生活はどう？と呑気に聞いてくる神威…
いったいいつこの城に入ってきたんだ


「しかし大変だね。結婚式の後は戴冠式【たいかんしき】なんて。日取りはいつ？」

「俺の誕生日の翌日だ」


この銀魂王国では国王になるにはある年齢を超えなければ、王位継承者であっても国王になる事は出来ない。

その為俺は父親が死んでから王子としてこの国を治めてきた

それが今年の誕生日でようやく国王になる事ができる


「まぁ国王になってもやる事は変わらねェがな。名称が変わるだけだ」

「でもAの周りは変化するかもよ」

いや、もう変化しているかもしれないよと神威は面白い遊び道具でも見つけたように笑ってみせた

「……何が言いたい」

「宝生姫麗だっけ？シンスケの元カノ」

「！！！」

神威が口にしたのは俺がこの世で最も聞きたくない名前だった


「その様子だと、どうやら嫌な思い出でもあるらしい」

俺の様子を見て不敵に笑うと神威は部屋から出ていった





宝生姫麗…
あいつだけじゃない。俺は宝生家が嫌いだ


宝生と言う名前を聞くと思い出す


“自 殺した母親”

“女に溺れる父親”


「クソッ…」





Aだけは守る
いつも懐にあるAとの写真を握り締めながらそう思った

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