月夜に眠る双子の話

最後の紫紅の爪 ページ39

みんな糸見えないのかなぁ。

「まあ観念するんだな・・・」


え、何が観念なの？

「このままお前が上に上がればお前は助かるかもしれねぇが・・・」


あっ！そうか！

「下に降ろされた仲間は警察に捕まっちまう・・・」


でも､私よりお兄ちゃんの方が重たいからそこはどうなんだろう。

「その逆だとお前がアウトだぜ？」


下を見ると中森警部が叫んでる。

あれならキッドが降りてきた瞬間に捕まえそうだね。


すると、お兄ちゃんはポケットに入れてた手を出してトランプ銃を取り出した。


『んじゃ・・・真ん中で・・・』

「ま、真ん中？」


もしや、真ん中って・・・

そしてお兄ちゃんはトランプ銃で私の隠れてた垂れ幕を撃ったんだ。

もちろん、垂れ幕は落ちていく。

すると、お兄ちゃんは私の方へ走ってきて、

「手を！！」


って手を出してきたんだ。

私は慌てて手を出してお兄ちゃんの手を掴んだ。


その直後、パラグライダーを開いてギリギリでネットを越えていった。




「はぁ」


「なにため息ついてんだよ、彩。」

え、ああ。このため息は

「ただ疲れたってだけだから大丈夫｡」

て言うか、それより


「お兄ちゃん、紫紅の爪はどうだった？」

パンドラだったのかなぁ。

だとしたら嬉しいけどね。
　

「ああ、それなら違ったし置いてきた。」

え、置いてきた！？

いつ､どこで！？


「さっき、ビルの所のワイヤーにつけた。」

さすがマジシャン・・・

次元が違い過ぎる！


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
私がお兄ちゃんの家に着くと､いきなりお兄ちゃんが私の名前を読んだんだ。

「彩！こっちに来い！！」


それでなんだろうと思いながら行くと、恐い顔をしたお兄ちゃんが居たんだ。

「彩、ここに座れ。」

お兄ちゃんは向かい側のソファーを指さした。


すっかり忘れてた・・・

お兄ちゃん、説教するって言ってたよね！？


何でそんな時だけ来るの！？


すると、お兄ちゃんはトランプ銃を取り出した。

え、トランプ銃なんて何に使う・・・

パンッ

お兄ちゃんはトランプ銃を撃ったんだ。

それも、私の真横に！


それで私は逃げようとしたんだけど、お兄ちゃんが動くと当たるぞって言うから戻ってしまった。



そしてその後、私はトランプ銃をスレスレの所で撃たれながら説教を食らってしまった・・・


もうやりたくない、一種の拷問だよ！

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紫紅の爪終わった！

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