第3話 ページ4
「なぁ、コナン君。」
「なに?楓さん。」
「少年探偵団の子達、どこ行ったんだ?」
「あー、見たいテレビがあるって言って、博士の家に
行っちゃった。」
「そうか。」
「なんか、ごめんなさい。」
「気にしないで。依頼料払うの忘れただけ」
子供相手になにを言っているんだと言わんばかりのコナンの顔である。
冗談だと楓は言ったが、真顔で言うため冗談か本当かが分かりづらい。
周りの風景を見ながら少年探偵団について行ったが、
気が付けばコナンだけになっていたのだ。
子供とはなんとまぁ自由なものである。
仮面ヤイバーのアニメの再放送が今日だったと歩きながら思い出した。こんなに時間がかかるものではなかったので見られなかった。
FBIの仲間から仮面ヤイバーを押され、今まで見続けている。なんでもその仲間は趣味を共感してくれる人がいないと言って暇そうな楓に半ば強制的に押し付けたのである。
実際、見ていて仲間の友情や敵を倒すシーンなどは感動した。
その感動をジョディに話したら後日、書類の山が机にあった事は言うまでも無い。
赤井やジェームズには子供扱いされる始末だ。
「楓さん。着いたよ。」
ハッと我に返り、コナンの方へ向くと自分の自宅となるマンションがあった。10階建てぐらいのマンションだ。中は広そうだし、清潔さがまず目に入る。
ジェームズに心の中で礼を送っといた。
「コナン君、ここまでありがとう。
助かった。」
「気にしないで。じゃあ、僕行くね。」
振り向き走り出そうとする彼を呼び止める。
小さな手のひらに500円玉をのせる。
「え、これなに?」
「なにって依頼料と感謝料だ。」
あの子達の分も入っているというと目が点になっていた。どうやら要らないらしい。
受け取れないという彼に目線を合わせた。
「今日は充分に助けて貰った。勿論、あの子達も。
これくらいはさせて。」
自分の手を彼の手に合わし、500円玉を握り締めた。
そういう事なら…っと頷くところはまだ小学生らしい
もしかして、額が気に入らなかったか。最近の小学生はお小遣いもたいそうな金額らしいからなと変な事を考えていた。
「ありがとう。」
微笑みながらいう彼にお菓子とか買ってあげてと言い
お互いに振り向き、分かれていった。
今日は出会いの一日らしい。そんな事を思いながらエレベーターのボタンを押し壁に寄りかかった。
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作者名:ハム | 作成日時:2020年5月9日 23時