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オスマンの部屋に向かい、ノックをして入室を促されば2人はその中に入る。視界に飛び込んで来たのはテーブルの上に乗っているケーキスタンドや皿に乗っている宝石の様に煌びやかな、或いは馴染みのある菓子類達だった。
「2人とも、いらっしゃ〜い」
視界の端から主催者でもあるオスマンが現れれば、自然と其方を向く。そして、視界にグルッペンとトントンが入った事にも気づいた。
「お?2人も来たのか」
「急遽だがな。参加させてもらった」
「邪魔じゃなければええんやけど……」
「そんな事はないですよ。一緒にお茶会出来て、嬉しいです」
「人が多い方がもっと楽しいしな」
顔を合わせて嬉しそうにしている2人を見、トントンは目を細めて笑みを浮かべる。席に着く様に促されればA達は隣同士に座れば、１つの空席に気づく。と言っても、誰の席かはわかっているが。
「オプロイテはどした?」
「参加者増えるって伝えたら、足りないだろうから追加のお菓子買ってくるって走って行ったんよ。やから遅れてくるめう〜」
「相変わらずキッチリしとんなぁ……」
感心した様にトントンが呟けば、オスマンから紅茶を差し出される。
「C国土産。たぶんトントンも気にいると思うわ、飲んでみ?」
「ん」
ふう、と少し冷ましながら口に運べば砂糖が入ってなくともほんのり甘く、それでいて口当たりがさっぱりしていて。確かに美味い、と徹夜で疲れた体に染み渡った。
「トントン、最近お疲れやから2人とも労わってあげてな」
「は、」
突然の、その発言を聞けば同時にトントンに視線が行く。
「わ、よく見たら隈出来てんじゃんか。大丈夫なんかよ……」
「お仕事の量が多いなら、今度はトントンさんの方に行きますよ?」
「いや、あの、あのあの……」
2人から一気に心配され、どう対応したら良いかとしどろもどろしている。当の発言者オスマンはニコニコとその様子を見ていて、これが見たかったと言う様に楽しそうにしている。グルッペンもなかなか見れない姿にニヤついていて、トントンは内心後でしばいてやろうかと思った。
「うーん、労わる、労わる……。……こうか?」
彼の隣にいるAは素直に言葉を受け、思いついた事を実行する。
……それは、トントンの頭に手を伸ばし優しく撫でる事だった。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
