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煙草の香りが強いコネシマの執務室に、その部屋の主とスパルタクスが対面して会話をしていた。内容は勿論、Aの事だ。
「で、どやった?」
「力加減は問題ありません。兵達の訓練をいずれ任せられるでしょう。……態度に問題はありますが」
「あっはっはっ!やからええねんって、それに決着はもうついたんやろ。アイツが勝ったんやからそのままにしときぃ」
「むぅ……」
若干不服ではあるが自分が言い出した事なのでスパルタクスはそれを飲み込み、それを見てクツクツとコネシマは笑う。スパルタクスが彼女と剣を交えたのにはAがキチンと力の制御を出来るかを測る為でもあった。その前に一悶着を起こしてしまい決闘の流れになったのは予定外だったが、コネシマが上手く運んだのだと思う事にした。
「……ごほんっ。それで、ナグモの方はゾム様に任せるのですか」
「ナグモはどれかと暗殺とか諜報に長けとる方やろうしアイツに任せるわ。今ゾムに振り回されとるやろうけど、さっきと同じで他の兵も見とるから手本になるやろ」
実際、現在進行形でナグモはゾムとの
「では、そろそろ戻ります」
「おぉ。……あ、待った!」
「は、はい」
声をあげて呼び止めたコネシマに一瞬驚き足を止める。
「オプロイテにも頼んどるんやけどな、俺等が見てない時は2人の面倒見たってほしいわ。……同じ幹部補佐にしか頼めんからな、任せてもええか?」
「畏まりました」
礼をし、スパルタクスは彼の執務室を退室する。コネシマはそれを見届ければ、煙草を取り出し火を付ける。スパルタクスの前で気を遣っていた訳ではなく彼に喫煙量を流石に注意された経緯があった為、また口煩く言われるのは避けたかったからだ。紫煙をゆっくりと口から吐き出しながらA達の資料を手に取る。もう何度も見た物だ。それをパラパラと捲っていれば2人の顔写真が載っているページで手を止め、目を細めれば指でそっと撫でた。
「強うなってんなぁ、ええ事や。今度外で何か奢ったるか」
そう、嬉しそうに呟いた。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
