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「んむ、コレおかわりっ!」
「Aまだ食べんのぉ?」
「何回も言ってるけど、動いたら美味い飯食いたいんだよぉ」
そう言いながらAは食事を掻き込んでいた。丁度エーミールが手をつけられていなかった食事があった為、それが良いと温め直してもらい食しながら追加で注文をしていた。決闘の結果としては僅差で彼女が勝利を納め、いつも通りで良いとなった。
「Aさん、私の残りなのに良かったんですか?」
「んー?だって1から作るより温め直した方のが早えーし、食べてる間に追加作ってもらえるし」
「まあ確かにそうかぁ……」
納得していれば、Aの口元に米粒が付いているのが目に入る。以前、オスマンが「Aったら口元にソースつけたまま夢中で食べてて可愛かっためう♡」とC国での事を話していたのを思い出す。確かにそうではあるが、本人がそのままでは恥ずかしいだろうとソッと声をかける。
「口元におべんと付いてますよ」
「え、マジ?何処?」
「取りましょうか?」
「ん゛〜、頼んだ……」
前回に自分で取れずに拭われた経験からか、恥ずかしさはあるがその方が早いだろうと判断しエーミールに任せる。「ん、」と顔を向けられれば、自分で取ると言った筈なのにいざ触れようとしてしまえば鼓動が早くなってしまっていた。意を決してソッと指で取ってやれば安堵する。
「取れましたよ」
「ん、さんきゅ」
――礼を言われたと思った瞬間、指に口付けされる。Aはただ単に取れた米粒を口に入れただけなのだが、柔らかい、エーミールが未だ感じた事の無い唇の感触が視覚と触覚で感じてしまった。
「は、ぇ」
思わず赤くなってしまったが、近くにいたシャオロンとロボロがその瞬間を見逃さなかった。
「何役得しとんのやエーミールぅッ!」
「え゛ぇ?!あ、いや、そう言う意図はなくてですね!て言うか予想出来ないやろぉっ!」
「ズルいからちょっと裏行って爪剥ぎしよか」
「嫌ですよ?!」
騒ぐ3人をいつもの事だと思いつつ、横目で見ながらAは食事を続けていた。
「ほんと賑やかだなぁ」
「ほっといて食べててええからねー」
いつの間にか隣に陣取っている鬱がそう答えた為、食事を続けるがコネシマ達が見当たらず彼に問う。
「そいやコネシマ達は?」
「仕事の話やって」
「そっか。あとナグモは?」
「ゾムと運動場で戦闘中やろなぁ……」
「あ……」
察した彼女は心の中でナグモを応援するしかなかった。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
