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一方、Aはスパルタクスの攻撃の対応を行なっていた。力で押せば、彼女なら間違いなく押せるが賭けているモノはあるが本気でやるモノではなく演習としての決闘だ。トントンやゾム、近接を特に得意とするシャオロンなどと手合わせするのとはまた違う為力加減が必要だ。
「どうした、自慢の力がある筈だろう」
「うっせ、てめぇに合わせてんだよ」
互いに憎まれ口を叩きながら剣技を叩き込んでいた。そうではあるが、Aは楽しそうに剣を奮っていた。決まった型ではないがその姿は自由に、それでいて力強くあった。木刀を何度か振るえば、スパルタクスはその太刀筋を捉え防いでくる。
「(すご、全部防いだ。流石
力を調整しているとは言え、彼は既に30分以上Aと攻めの姿勢を崩さず打ち合っている。体力・精神面・対応力、どれを取っても高いモノだろうと分析する。改めて、この国の個人の能力の高さに感心しながらも攻撃の手数を増やす。
「っ、」
スパルタクスはそれに徐々に押されつつあった。だが、彼も幹部補佐としての意地があり攻防に喰らいつく。
「(此奴が人間でなくとも、無様な敗北を見せられるか……!)」
スパルタクスが彼女に噛み付くのは幹部への態度、と言う理由だけではなかった。コネシマが此処最近、口を開けばAとナグモの話がやたら出る。スパルタクスから見れば、その時の表情は機嫌が良く気に入っている事がわかる。その時に浮かぶ感情は部下の立場からしての嫉妬だと理解している。加えて、いつか自分の場所が彼女達で埋まってしまうのでは無いかと言う不安だった。彼に命を拾われ、ソレを彼に使おうとする忠義で幹部補佐へと就いた筈なのに。それだけは譲れなかった。だからこそこの決闘は彼女に賭しているモノとは別に、
「はあぁっ!!」
「っ!」
振るった連撃を咄嗟に防ぐ。視覚から、受け止めた打撃から彼の太刀筋が更に力強く速くなっていた事をAは認識する。
「……やっぱお前等すげぇ」
思わずそう呟いて、その瞳は白銀の星の様に輝く。その時、コネシマの通る声が此方に向かって発せられた。
――――
多忙故に更新滞ってしまい申し訳ございません。まだ暫く更にゆっくりかと思います……!
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
