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「なあなあなあ!あの2人の終わったらナグモも俺とやろうや!前に約束したやろ?」
「え゛っ。しましたけど皆さんの前でやるの恥ずかしいですって……!」
「戦うんに恥ずかしいも何も無いやろ〜」
そうケタケタと愉快そうに笑えば、ナグモの手を引き運動場の方へと向かう。力の強いゾムに引かれれば抵抗する間も無く引きずられて行く。
「ちょ、うわぁっ、速いですよ……!」
「1秒でも早くやりたいんやから仕方ないやん!」
「でもまだ姉さんとスパルタクスさんのが終わってないですからね?!」
そんな会話をしながら走って行く2人を残った幹部達は見送っていた。
「はえ〜。相変わらずやな、ゾム」
「とか言いつつロボロ羨ましいんやろ〜?」
「シャオロンうっさいねん!」
図星を突かれて怒るロボロにシャオロンは煽る様にケタケタと笑う。2人を置いておき、コネシマ達はA達の決闘の続きを観ていた。
「剣さばき、2人とも素晴らしいですね。互いに見切っているからか攻防が終わりませんし……」
「何目線やねんお前」
「普通に感想言ったつもりやけど?!」
「それはええとして、タッくんもよお上手くAの動きさばいとるわ。ナグモみたく、めっちゃ速いわけやないけどAも器用に動くからなぁ」
スパルタクスの戦術は白兵戦で攻め込む事を得意としており、Aの力を理解しながら果敢に攻めて行く。攻められれば上手くいなし力を逃して回避し、攻め込む際は空いている箇所を狙い斬りつける。Aは今まで情報のみで初見の相手であったが、長時間対処しているのは彼の実力と経験が伺えるだろう。
「ちな決闘提案者のシッマはどっち応援しとるん?」
「どっち言われると悩むわ〜。2人の気が済むまでのつもりやったしぃ」
「そうなん?……て言うか下手すると体力切れるまでやるかしれんわ、スパルタクスもAちゃんも」
観戦し始めてから既に30分近くが経っているが観戦している兵達と幹部達が観ている中、全く譲らず攻防が続いた状態となっていた。Aとスパルタクスの意地のぶつかり合いが此処までになるのは予想外だった。
「(アイツも変なとこで譲らんからなぁ)」
そう思いながら煙草を取り出せば火を付け2人を見、スパルタクスを見れば自然とAにも視線が行く。
「ふは、面白そうにしとるやん」
彼女の楽しんでいる顔を見れば、コネシマの表情は自然と綻んだ。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
