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そう思ったせいか無意識に、少し屈んでナグモの表情を見ていれば未だに見つめられるのが苦手の為、恥ずかしくなり白い頬が紅くなってしまう。思わず手も伸びてしまえば、瞬間に目がパチリと大きく開きビクリと肩を跳ねさせればチーノはハッとなり自分の行動に焦り出す。
「ご、ごめん!変な事するつもりやなかったんやけど!」
「そ、そそ、そんな事は!ぼ、ぼくがびっくりしちゃっただけなので!本当に!」
互いに慌て出してしまい、すぐに「し、失礼しました!」とナグモが慌てて書庫から出てしまう。チーノは引き留める間も無くその背を見送ってしまっていた。
「(ど、どうしよう……っ。触れそうになった時、何かドキドキしてあんな反応しちゃって、つい逃げちゃった……!絶対チーノさんに変な人って思われたぁ……!)」
猛省しながらナグモは次に会った時はどうしようかと廊下を駆けていき、丁度オプロイテの部屋から出たAに泣きついた。
†††
「はあ゛〜……」
書庫から戻ったチーノは自身の執務室で机に伏せながら大きな溜息を吐く。ナグモにまで好意を抱き始めたせいでだ。
「やっぱ揃って可愛えなぁ……」
2人の顔を思い出せば、胸がきゅんと締め付けられる様な感覚に陥るが同時に切なくなりまた溜息を吐き出す。加えて少し前のナグモとのやりとりでやってしまったと気分が沈む。
「ナグモくんに変な奴って思われたかなぁ……」
悩んでいれば仕事と勉学も手に付かず。そんな時ノックが聞こえ、入る様に返事をすればショッピが書類を持って入室する。
「入んで。……って、サボっとんのか」
「違うぅ〜……」
片付いてない書類の束がそのままであれば、そう声をかけられるのは必然だった。仕方ないとばかりにソファに腰掛ければ、再度チーノの方へと顔を向けると彼は顔を上げていて下がり眉を見せている。
「ショッピ〜……、聞いてや〜……!」
「あー……、手短で頼んだで」
自分がサボる口実にはなるだろうと彼の話を聞く姿勢を取り始めれば、チーノは先程書庫であった事を話始める。
「…………と言う訳なんよぉ」
「いや大丈夫やろ」
「即答やなぁ……、真剣に悩んどるんやけどぉ」
「さっきAに「絶対変に思われちゃった」言うて、泣きついとったの見たし聞いたから。何の事や思ったら話聞いて合点したわ」
「え」
「互いに同じ事思ってたんなら逆に悩む必要ないやろ」
そう面白そうにショッピは返した。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
