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「なー、オプロイテ」
「何?」
「オプロイテも私等の事、好き?」
「ん゛っっっ」
仕事の用事でAの部屋に来ていたオプロイテにそう問えば、思わず咳き込んだ。Aが慌てて、すぐに背をさすってやれば落ち着いた様子を見せる。
「え、ええと。今日のお茶会の話の続き……、みたいな感じかしら?」
「ん、そう。……で、どうなんだ?」
「2人の事、好きよ。妹とか弟みたいな感じで」
「……んへへ、そか」
Aは嬉しそうにへにゃりと子どもの様な笑みを浮かべ、オプロイテはその表情に穏やかな顔を見せる。
「オプロイテも話聞かされたと思うから、知ってると思うけど。……私とナグモは怖がられてたり道具みたいにしか思われてなかったから。だから好きって、好意的に思われてるのはやっぱ嬉しいな」
「A……」
事情をある程度聞き、迎えた時から2人を見ていたオプロイテは胸を微かに締め付けられていた。XX国での日々は、殆どを戦闘をしていたと聞いていた。そこで誰にも認められず愛されず、ただ便利な道具だと扱われて処分されそうになって。
「(本当に、此処に迎えられて良かった)」
作られた存在であっても、2人分の命に変わらない。当時、
「そういや、オスマンの言ってた"好き"ってさ。いつわかるんかなぁ。オプロイテはわかるか?」
「あー……。何となく、だけど。でも私が言ったら駄目だと思うから」
「だよなぁ。ま、自分で知れた時の楽しみにするか」
もし恋愛感情を知り、総統含めた幹部の殆どがそう言った好意を持っていると知った時はどうなるのだろうかとオプロイテは思う(まさか直属上司のオスマンまで恋愛感情を向けている事には驚いたが)。その部分は更なる未知だ。それでも、2人がそこに辿り着いた時には見守るべきなのだろうと考えた。……加えて、2人が強くとも守る時には守らねばとも。
「でも、好意的でも邪な考えを持っている人もいるから気をつけて。何かあったら私が守るから」
「はえ???」
いつの間にか軽度の擬似的なシス(ブラ)コンになってしまっていた彼女は宣言し、そんなオプロイテを何もわかってない顔でAは見ていた。
───
スローペースですが、更新再開となります。
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作者名：米（よね） | 作成日時：2023年5月11日 12時
