むかしはなし 2 ページ34
それからその少年は毎晩海に来た
「っ、ぁ、Aっ」
『はあい。また来たの？』
「うん、ダメだった？」
『ふふ、そんな事ないわ。今日どんな歌が聞きたいの？』
「んと、この間の！」
『あなたそればっかり！それ好きね』
「うん。俺Aの声好き、だからこの曲も好き」
『そう。 〜♪』
毎日岩陰からひょこり現れて歌うA
なんで海からでないんだって聞いたら
『私は海に捕まってるの。だから海から出られないのよ』
なんて言ってた。
「寂しい？」なんて聞いたら
『仲間がいるから寂しくないわ。貴方は？』
「…俺は……Aがいれば寂しくない」
『…変な子、会ったばかりなのに？』
「Aは…あいつらより優しくて暖かいから！」
『！……ほんと、変な子ね』
そう言って優しい顔で笑った
Aはいつも俺ばっかり話しても怒らないで笑わないでただ聞いてくれてた
化け物なんて言われてた俺を
『私とおそろいは嫌？』
なんて言って頭を撫でてくれた
「！！な、何やってんだよ！！？///」
『あら、嫌だった？』
「な、そ、そんな事…ない//」
『うふふ(笑)ありがとうジョー』
「え、」
『ん？』
「今、ジョーって」
『あぁ、あの人たちから名前呼ばれたことないんでしょ？だから、勝手につけて読んじゃった(笑)』
「ジョー…ジョーか…」
『嫌だった？』
「ま、まぁ！お前にしては上出来じゃね！！」
『うわっ！生意気！！』
「い、いへぇひょー！！」
ただの触れ合いが俺は嬉しくて、楽しくて
初めて生きてて楽しいと思えた
日に日に増える傷とあざ
けど耐えた耐えればAに会えるから
夜になるばAに会える
優しい顔で頭を撫でてくれる
名前を呼んでくれる
抱きしめてくれる
俺は…Aが大好きだった
Aに会えればそれでよかった
けど、その日
「最近毎晩外に出ているだろ！！何度言えばわかる！お前みたいなものが外に出たらうちが困るんだよ！！！」バキッ！！
「ぐぁっ！！？」
「今日はここから出るな！！」ﾊﾞﾝｯ!
ｶﾞﾁｬｯ！
「っ！！出して！出してよ！！出してくれよ！！なぁ！！」
「うるさい！黙れ！！」ドンッ！
「っぅ！」ﾋﾞｸｯ!
その日両親は俺を部屋に閉じ込めた
俺では届かない高い位置の窓からは月明かりが漏れて
Aに合いたくて会いたくて
〜♪
「！Aの声！？」
聞こえる、あいつの声が
A…会い…たい…
俺は壁をよじ登りなんとか窓から外に出た
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りあん(プロフ) - ののさん» わー！ありがとうございます！そう言っていただけると凄く嬉しいです･:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年3月27日 16時) (
レス) id: ab066558ed (このIDを非表示/違反報告)
のの - な、なんていい話… (2018年3月27日 15時) (レス) id: aab11a0598 (このIDを非表示/違反報告)
りあん(プロフ) - ちょこさん» ちょこさんコメントありがとうございます！長いのに一気とは(笑） 嬉しいですヾ(*´∀｀*)ﾉ (2018年3月25日 22時) (レス) id: ab066558ed (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 素敵です！一気に読んじゃいました(^^) (2018年3月25日 21時) (レス) id: d9a05f340b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りあん | 作成日時：2018年1月13日 1時
