My life is for you… (ページ26)

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P.0 エイトフットのジョーページ26

※『』は飛ばされて来たエイトフットのジョーの台詞です

気がついたら見なれた夜の海だった

闇のように深い海とその海岸沿いに立つ物好きの住む家

『(そういや…昔あんな家あったな……)』

明かりの灯る家、聞こえてくる笑い声

それが嫌で嫌でたまらなかった

『(そうだ…仕事終わって疲れて…何故かいつも陸を見てたんだ…)』

幸せそうな笑い声が嫌いだったな…

ｶﾞｼﾔｧｧﾝ!!

『！？』

"「何してんだ！！」"

"「この役立たず！」"

そうだ…あの家は…！

幸せそうな声はいつも深夜になると怒号に変わって

醜い人間の姿がさらけ出されて

『(それが…滑稽で仕方なかったなぁ(笑)』

だけど

"「まぁまぁ、父さんも母さんもその辺にしてさ。あとは俺が言っておくから」"

いつもいつも優しい声色で話す男の声が聞こえたんだ

俺はあの声が嫌いだった

偽物の仮面かぶったようなあの声が

(……ぁ……そうだ…)

この時だ

いつもの怒号が静まり返って

海に戻ろうとした時

「………」

浜辺を歩く音がして見てみたら

月明かりに照らされてキラキラ光る雲のような銀髪が来たんだ

『(俺と同じ…って思ったんだよな)』

そいつは子供で何もせずただ海を見ていたな

海水で体を洗いやがって流れてくる水から香る血なまぐさい匂い

あれから…

(そうだ…あれから俺は…)

毎日毎日そいつを見てたんだ

毎晩何もせずただ海を見るそいつをどうして待っていたのか、見ていたのかわからないけど

年に合わないその姿が妙に俺を引き寄せた

そしてある日からそいつはぽつりぽつりと話し始めたんだ…

「…まじょさん…きてくれないな…」

(…はぁ？)

「おにいさまがここにはまじょがいるっておまえのようなまじょがいるって言ってたのに…」

(……)

「…わたしが、バケモノだから…みんなとちがうからこないの…か…」

(ぁあ…)

その時の妙に悲しそうな声が

「だれも、わたしを…ひつようとしてくれない…」

寂しげな姿が

「しに…たい…」

『｢……こんなところで死ぬんじゃないよ。死体が沈んでくるなんて嫌だぞ｣』

俺とこいつを巡り合わせたんだ