泣きたい私と愛したい王子

人付き合い ページ6

Aside

自分の部屋に着いた時


初めて緊張がとける。


同時に怖くなる。



ふざけて描いて壁に貼ったあの絵も。


机に書いて消えなくなったあの意味不明な落書きも。




なんで上手くいかなくなってきたんだろうか。


ずっと隠し通して来れたのに。


私の心が泣いてるんだ。



早く誰かに助けを求めてって。


独りが怖いって。


ずっと、ずっと。


聞こえないフリして見逃している。



ねぇ、るぅと。


もし、私が「助けて。」って言ったら


君はどうする？


そう、LINEで聞きたかったけどスマホを持った瞬間

やめようと思った。


クッションを強く抱き締めた。


まだ家に親は帰ってきていない。



『お願いだから…知らないフリして…見ないフリして…』


声に出したら、少し楽になった気がする。


気がするだけだけど。







翌朝。




いつも、みんなで登校してるけど


みんなの顔が見れなかった。


みんなの声が




遠く聞こえた。



莉犬「A？どうしたの？」


『え、あ、なんでもない。』


莉犬「そう。」


またバレてしまうと思って手が震えた。


心地よかったはずの居場所が



今はまるで不安で溢れる場所だ。


莉犬「何かあったら俺に言ってね？」

『うん。』



ﾎﾞﾛｯ



ころん「え？ど、どうしたの？」


鼻がツンとして、一瞬目頭が痛くなった。


泣いてしまった。



この世界が怖くて、憧れで、見捨てられるのが嫌で




全ての不満に泣いてしまった。




止まることの無い涙は私の顔をぐしゃぐしゃにした。


せめて、夕方なら良かったのに。


帰れたのに。


ジェル「どうした？どこか痛いんか？」


どこも痛くないよ。


どこも悪くないよ。



ただね。



この世界の優しさに






押しつぶされそうなんだ。

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