弱みを握られるなら幼馴染も考えもの ページ7
「えっと」
「楽器、決めてる?」
「いえ、まだです」
「クロ何してんの・・・ほんと意味分かんない・・・」
ほら!!!!!孤爪先輩死ぬほど嫌って顔してるんですけど!?!?その顔を保ちつつ、すごい勢いでスマホを操作する。そしてパッとその画面を見せて、
「そろそろ来ると思うから」
と言った。
『3分以内に別館まで来ないと一年生の子にクロの恥ずかしいエピソード教える』
そりゃ急ぐわ。
「孤爪先輩って黒尾先輩と仲いいんですか?」
「うーん・・・仲いいって言うより・・・幼馴染」
「なるほど」
「クロの恥ずかしい話、聞きたい?」
「弱みは握っておくに越したことはないって言いますし、それなりには」
「なにそれ、聞いたこと無いけど」
黒尾先輩が来るまでの3分間、ずっとそんなくだらないことを話してた。「孤爪先輩」じゃなくて「研磨さん」って呼ぶことになった。研磨さん、ホルンを小学3年からやってるらしい。
「クロが小学4年のときに吹奏楽クラブでユーフォを始めて・・・何故かうちの母親はホルン買ってきて・・・それで、まぁなんとなく続けてる」
「研磨!!」
「あ、クロ」
黒尾先輩、マジでスライディングする勢いで迎えに来た。そこまでしてバラされたくない恥ずかしいエピソードって何??
「っはぁ・・・ごめんな、早川ちゃん。楽器決めからやろう」
「じゃあね」
「あ、研磨さんありがとうございました!!」
ひらひらと研磨さんは手を振って楽器を持って別館を出ていく。黒尾先輩は別館の奥の方へ向かい、
「えーっと、マイ楽器持ってないよな?」
「そうですね。買ってくれる約束したはずなんですけど、裏切られました」
「あるある」
奥の方には使ってない楽器があるらしい。ユーフォは2台あるから好きな方選んでネ、と言われた。
「ちなみに俺のおすすめはこっちかな〜。クロちゃんもこっちが良いと思うよね?」
「えっ」
「及川くーん、うちの後輩にちょっかい出さないでくれますー?」
いかにも髪のセット毎日頑張ってます☆って感じのイケメンさんが出てきた。黒尾先輩とタメっていうことは3年生かな。
「こんにちは、ユーフォの早川美波です。よろしくお願いします」
「うんうん、ちゃんと挨拶できてえらーい!俺は及川徹、楽器はアルトサックスだからよろしく〜」
読めない・・・。挨拶できて偉いねって、私は子供なのか??高3からしたら高1は子供なのか??
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作者名:リリアーネ | 作成日時:2022年2月6日 18時