部活推薦ってキャラが濃いの? ページ5
別館のドアの前では背の高い眼鏡と、眼鏡よりは低いけれど充分に背の高い男子、その後ろで呆れたように様子を見ている前髪ぱっつんくんがいた。
「あれ、ぱっつんくんだ」
「・・・どっかで会ったことある?」
「中学のソロコン出てたでしょ?トランペットだっけ?」
「ああ・・・お前は?」
「私も出てたけど、トップレベルじゃなかったから知らないだろうね。ユーフォの早川美波です、よろしく」
「ああ、俺は五色工、よろしく」
見たことのあるぱっつんくんと無事「一方的に知っている人」から「部活仲間」に昇格したところで、ドアの前の2人組を指差す。
「あれ、なに?」
「俺が来たときにはやってた。どっちとも同じクラスじゃないけど」
「王様って言うなボケェ」
「さっさとドア開けなよ王様、ほら、人も集まってきてんじゃん」
何だこれまじで。後ろにいるはずの金田一と国見を見ると、目を見開いて固まってた。なんで。誰も動かないのでしょうがなく、私はドアの前に向かう。
「初めまして、早川美波です。楽器はユーフォ、よろしく」
「・・・僕は月島蛍。楽器はコントラバス。よろしく」
「影山飛雄。・・・トロンボーンだ」
「よろしくくらい言いなよ王様」
「っだから」
「はいはいはいうるせーぞ、早く入ろう」
ぱっぱとその場を仕切って、別館のドアを開ける。そこで気づいた。
「あ、『ボーンの王様』か」
「・・あ"?」
『ボーンの王様』
北川第一中学のトロンボーンの一人。アンサンブルの時、ひとり突っ走った演奏をした。レベルは高いのに、音があっていない。音を合わせようという努力さえしない。まるで自分に合わせろと言うように。
「ごめんって。行こうよ」
結局別館の方まで六人で行くことになった。澤村部長と、他にも数人来ていて、「今年の一年は仲いいな」と言われてしまった。いいえ、違います。
「あ、他の一年が入ってからまた紹介すると思うんだけどさ、一年の教育係のリーダーと副リーダーだけ紹介しとく。もしなにか困ったことがあったら、俺とか直属の先輩でも良いんだけど、こいつらでもいいから」
澤村部長の隣にはこの部にしては身長が低い可愛い感じの人と、髪がふわふわっとしてる可愛い感じの人。
「五色とは朝会ったな。俺は菅原孝支、トランペットやってる。よろしくな!」
「俺は茂庭要。担当楽器はファゴットだよ、よろしくね」
一応私達も自己紹介をしておいた。
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作者名:リリアーネ | 作成日時:2022年2月6日 18時