【d!】日常に潜む｡【企画】 (ページ15)

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おやすみの魔法。4-2 ページ15

食事のあとは、特に決まってすることはなく、風呂に入るなり、持ち帰ってきた仕事をするなり、テレビを見るなりしている。今日はテレビの日だ。彼女が前から見たいと言っていて撮り溜めていた恋愛ドラマを見ることになった。ソファに2人で並んで座る。ぶっちゃけ興味がないので内容が全然入ってこない。しかし隣の彼女はクッションを抱え、真剣に見ている。この作品はかなり気に入ったのだろう。

「なぁ、風呂行ってきてもいい？」
「ん？いいよ、」

いよいよ飽きてしまった俺から出た言葉に対して、彼女はこちらを見向きもせずに言った。

「行ってくる～」
「いってらっしゃ～い」

またしてもこちらを見ない。そのドラマはそんなに真剣に見るもんなんか？俺よりも大事なんか？その思いは胸にしまって風呂の支度をした。

.

風呂上がり。リビングに戻ると、テレビを付けっぱにしてソファに横になるAの姿が。

「またこんなところで、、、おい、A、風邪ひくで」

声をかけるが応答なし。聞こえてくるのは寝息のみ。
相当疲れているのだろう。ここで寝かせてやりたい気持ちは山々だが、明日も早いので寝かせておくわけにはいかない。
だが起こすのも申し訳ない。

「よい、しょ」

仕方ないので寝てるAを、起こさないように抱えて寝室へ運ぶことにした。彼女をベッドに寝かし、俺も隣に入る。

ふとAを見ると、それはそれは気持ち良さそうに寝ていた。さぞいい夢を見ているのであろう。日中は仕事に追われている彼女も夢の中では幸せであってほしい。

どこか嬉しそうな顔をして寝ている彼女の頬に、こっそりキスをした。

「おやすみ、A」

明日もAが頑張れますように。