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「溝口少年、猪頭少年に、黄色い少年! それから…」
『?』
何となくで誰のことを言っているのかわかるから良いけど、ほんとに誰のこと言ってるの??
いやわかるんだけど!!
そう思って煉獄さんを見ていると、じっと見つめ返されて言葉が止められる。
…うん? でも、ちゃんと目が合ってるかと言えばそうでないような。何処を見てるんですか。
「橙の髪と瞳、君が噂の少女か!!」
『ひぇっ?! 何の事ですか?!!?』
「胡蝶から噂はかねがねだ!!
1度すっとぼけてみようとしたけれど、失敗だった。…そりゃ柱だもんね、知らないはずないか。やだなぁ。
『こ、黄金の少女なんて…! やだぁ、うふっ、うふふ……っ!』
「照れてる場合じゃないでしょ??! いや金に照れる意味もわからんけど!!
柱に目つけられるとか、Aちゃん、何やらかしたの…?!!?」(小声)
『わ、悪いことは何にもしてないよ! 大黒天さまに誓って!』
善逸くんが信じられないものを見る目をしてるが、気づかないフリをしておこう。
ふふん、その呼び名でわかったわ。
煉獄さんってきっと良い人ね…!! 私のこと金って…えっへへ〜見る目あるぅ〜!!
『AAですっ! よろしくお願いします、煉獄さま!!』
最高に気分がいい。
無償で披露するのは純金の笑顔である。
黄金の少女ですからねっ!! 私ったら!! 黄金の!!
にひひひっ!!
「……ねぇ。Aちゃんさ、すっごく馬鹿なこと考えてるでしょ、いま…」
『し、、失礼なっ! 私は有意義なことしか考えないもん!!』
「はあ…」
「金が絡むとこれだよ…」と呟く善逸くんに、
それ言い方はなんか嫌な意味に聞こえるからやめない?!
…と、抗議しようとしたところで、
列車がゆっくりと動き出した。
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作者名:朝餉。 | 作成日時:2021年8月14日 17時