《肆》望むは金。 (ページ37)

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蝶屋敷の裏山を駆け上って、秘密の特訓をする。

『……私は、』

この数ヶ月で、たくさん考えた。

鬼の身体を貫ける、拳や蹴り。私の能力。

何故そうなるのかにこだわってきたけれど、答えは見つかりそうにないし、
きっと今はまだ、わからなくてもいい。

―――(天女でも人間でも、君を愛する自信がありますけどね！？)

異質な力だけど、恐れなくていいって分かったから。だいじょうぶ。

どうあっても私は私だって、思ってくれる人がいるから。

だったら、この力の使い方を考えよう。
わからないなりに、利用してやればいい。

純粋な力の強さじゃない。速さも違う。重さでもない。

だとすれば、私の身体に宿る力は、

『……硬さ、とか？』

声に出した途端、しっくりきた。

ああ、便利すぎる。
第六感のおかげで私の人生簡単だよ。本当にありがとう。
偶につまらないなって思うけど。

『っ、すぅぅぅぅ………』

実際に深く呼吸をして、その力を片手に溜めてみると、
確かに鉱石のような硬度を持っている。

矢や、拳銃の弾なら弾き返せそうなくらいに。

“鬼にだけ”強い効果が発揮される理由は、まだわからないけれど。

『……なんていうか…、“金の呼吸”って、そういう意味で名付けた訳じゃないのよ？』

自分自身のことでも、不思議とすべてはわからない。
それはきっと死ぬまで。

それでも、少しずつ自分を知っていくことが、自分をより良くしていくことだよね。きっと。

『…なあんてね！』

難しいこと、わかんない！！

『今日も特訓！がんばろ〜！！』

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第六感に、鬼に対して発される不思議な力、変色した瞳と髪、異様に速い傷の治り……とまあ、

お察しの通り、夢主ちゃんはそういう星の元に生まれた子です。
能力を生かしきれていないのは、彼女の中身が(とても)未熟だから。

遥昔に書いた胃痛プロットを、シリアス苦手な作者が、
ギャグと恋愛要素(どちらも担当は善逸)(たまに夢主)で、誤魔化しながらこの小説を書いてます。

読みづらいことこの上ないのはその所為です。すみません。

書き始めた頃、
“夢主ちゃんに重たい過去はありません！” と言い張っていましたが、
彼女の場合、これから行く道が明るくないので完全に詐欺ですね…。

嘘は言ってないんですけど…

こんな自己満小説ですが、読んでくださる方がいることがとっても嬉しいです〜！

これからもよろしくお願いいたします！