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駄々をこねる善逸くんをなんとか説得して、
――『善逸くんが常中を修得出来て、落ち着いたらね? そっちの方が楽しめそうだもん』
なあんて言ったら、
翌日からは驚くほど訓練が捗った。うそ、単純すぎない!?
男の子の意地って言うのは凄くて、善逸くん1人が躍起になると、あとの2人も釣られて、まんまとそれを追いかける。
それによって何が起きたかって、つまり、
炭治郎達がこの短期間で、常中を身につけかけているってことで。
「ヒュウゥゥ…」
「シィィィイ…」
「カァァァァ…」
破裂音。
『!!』
「「で、、出来たぁ〜!!!!」」
「見たか!? 俺様が1番速く割ったぜ!!」
破れた瓢箪を片手にそれぞれ喜び合う3人を見て、私は静かに腰をあげる。
『…おめでとう。順調そうで私は嬉しいです』
「それにしては浮かない顔じゃない?」
『嬉しい気持ちもあるけど、ちょっと悔しい!! 走ってきます!!』
私、常中出来るようになるまでかなり、じっくり時間をかけたのだけれど!
本当はちょっとじゃなくて、かなり悔しい。
屋敷の門を通る時間も惜しくて、塀を飛び越えた。
叶わないことがあってもいいの。ちゃんと、私にしか出来ない何かを、極め抜けば。
『っがんばれ…! 私!』
すべては“金”と私の人生のために!!
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作者名:朝餉。 | 作成日時:2021年8月14日 17時