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今日も夜食を作りたいからと、アオイちゃんの買い出しに付き合った。

荷物持ちであり、護衛であり、
何より、可愛い私がいるとお店の人からたくさんオマケをしてもらえる!



「お嬢ちゃん達可愛いね! そら、これも持ってきな!」

『わぁ〜! ありがとうございま〜すっ!』



買ったものだけでないお米、野菜や果物で、
私たちの鞄はみるみるうちにいっぱいになっていく。


「……Aさん、凄いですね」

『ふふ、アオイちゃんももっとにっこりしてたらすぐこうなるよ〜』


口角あげてこ〜?! と、頬に触れば、アオイちゃんは半目になって私を睨んだ。
手を叩き落とさないあたり、少し照れているらしい。

かわいい。



「ちょっと。そういうこと、いちいち言わなくていいから…」

『…あれ、口に出てた?』

「あなたねえ、」



いつ任務が来るかわからないから、一応隊服は着たままで街を歩く。
必要なものは粗方買ったかな、と辺りを見回したら、不意に和菓子屋さんが目に留まった。


『……そういえば、気がついたら戸棚からお菓子が減って…なんて怪奇現象を知ってる?』

「そうですね。犯人にも心当たりがあります」


これでアオイちゃんが知らなかったら、善逸くんが犯人だとバラすかバラさないかで迷ったんだけれど。
すっかりバレているらしい。当然か。


私も一度ご相伴に預かったことがあるし、ちゃんと私のお金で埋め合わせをしておこう。

あれとこれと、…甘党の善逸くんとはいえ、落雁はそんなに好きじゃないかな?

今度は私が胡麻餡饅頭をもらうんだからね!




「えっ、Aさんがあの人の分のお菓子を買うの…?」

『えっ何か変かな』

「…すっかり妻みたいになってるけど」

『え、んん…???(?)』


アオイちゃんがよくわからないことを言ったけれど、深く考えることはしなかった。
いったい何が妻なんだろうね。









蝶屋敷に戻ると、庭で訓練していた3人は何処かに移動したみたいだった。

なんとなく、誰もいないお庭を眺める。


「善逸さんなら多分裏山よ」

『……べ。別に善逸くんを探してた訳じゃ、』

「ふぅん」

『何その興味なさげな返事ぃ!!』

「気づいてないのかと思って」

『っう、』


それは、何を。

と、そう聞いてしまったら余計に恥ずかしいことを言われるのが目に見えているから、

脳裏に浮かぶ金色を誤魔化すように、私は慌てて口を噤んだのだった。







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作者名:朝餉。 | 作成日時:2021年8月14日 17時

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