【な組】契約が愛に変わるまで【紫】

契約7 ページ9

徹夜してたのか私の夫は全く起きてこない。

「姐御〜！」

そう言って駆けてきたのは。

「ころん？どうかした？」

「悪いんですけどなーくん起こしてきてもらえません？」

なんで私が、と言いそうになったが妻なら「分かった」と言う他ない。

「別にいいけど……なんで？」

「ちょっと仕事とかで起こす人いなくて」

私で大丈夫？その言葉聞く限り限られた人数しか起こせないって言ってるよね？

なんてことは一応妻である手前言えないので私は大人しく部屋に向かう。

そっと襖を開くとまだ布団の中ですやすや眠っている彼。

顔、寝てても整ってるなぁ。

「起きてくだ……起きて、もう10時よ」

敬語を使うのは変に思われるので敬語を外して話しかける。

でも彼は一向に起きる気配がない。やっぱり私以外に声をかけた方が……。

いやでもわざわざ私に声かけたってことは……やっぱり妻だから？

「起きてってば」

そう言って布団を剥ぎ取ろうと手を伸ばすと。

「ん……」

手首を掴まれて引き寄せられた。

「え……ちょ……」

布団に引き込まれた。なにこの古典的なラブコメ展開！

「ちょ……起きてってばぁ……」

ガッチリホールドされてるせいで離れられない。

仕方ないので私は下にさげてる腕を上に持っていき彼の頬を摘み。

思いっきり捻るようにして抓った。

「いててて！！」

流石に起きたようだ。

「あの、目覚めて早々に悪いけど離してくれませんか？」

「え？あっ！ごめん！」

どうやら状況を見て大体の理由は察したらしい。

理解が早くて助かる。

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