僕は元優等生の劣等生。【＃29】 (ページ1)

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新学期。

クラス替えをして盛り上がっている教室。

部活が一緒とか、２年連続とか、小学校から合わせて何年連続とか。

誰と別れたとか、何組が当たりとか。

そんな会話を聞きながら自席に座った。

「相変わらず冷めてんね。」

「冷めてるんじゃくて現実を見てるんだよ。」

「そういうところだって。結局３年連続一緒だよ？もっと喜べ。」

「うん、嬉しい。」

「マジ棒読みじゃん。」

なんて話しかけてきたのは隣の席の中川。

こいつのいう通り１年の最初からクラスは同じで出席番号のせいか席も毎回近い。

話せる相手がいるのはありがたいけどさ。

「担任誰だろうね。誰がいい？俺は特にない。」

「ないなら聞かないでよ。」

始業式のために廊下に並ぶ。最初ならではの番号順で。

出席番号は真ん中らへん。一番ちょうどいい。

長い校長の話を聞いて、新しく来た先生の紹介が終わって、担任の発表。

なんか祈ってる人もいて少し笑えてしまう。

『３年B組担任、社会科石川亮先生。』

え？

このクラスの担任と発表されたのは、さっき紹介があったばかりの新しい先生で。

しかもめっちゃ若そうな。一応というかちゃんと受験生なんだけど。

１年間大丈夫かな？

少しばかりの不安を抱えながら始業式は終わった。