faint light (ページ19)

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♡ ページ19

「そんなん俺なんも知らんかった...」
『まあ言ってなかったし』
「なんで言うてくれんかったん？」
『え？その必要性ある？』
「あるやろ！え？ないん？？」

うーん、と考え込み始めた彼女を見て不安な気持ちがさらにつのっていく。

『まあそうなのかなあ』
「そやろ！？」
『でも知らなくても別に問題ないでしょ？』
「大有りやわ！！」

思わず彼女の肩を掴んでしまう。

『なに？力強くない？』
「俺がどんだけ心配しとるかわかってへんやん！」
『心配したの？それはごめんね』
「せやから約束してな」
『何を？』
「今後はちょっとでもしんどなったら言うて。無意識にどっか行ってまう前に甘えてや」
『いや別にどっか行っても気が済んだらちゃんと帰るし』
「夜に一人で出歩かせたないねん。ちゃんと約束してや」
『えーそんなに気にしなくても』

なかなかわかってくれへん彼女に思わず肩を掴む力を強めてしまう。

『ちょ、痛いって』
「約束してくれへんのやったらもう勝手にいなくならんようにどこへも行けへんようにするしかないんやけど、それでもええの？」
『...わかった、約束する』
「ん、強くつかんでもうてごめんな。はよ帰ろ？俺明日休みやから一緒にゆっくりしような」

もうどこへも行かせへん、そんな思いを込めるようにいつもよりもぎゅっと手を握った。