検索窓
今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:24,643 hit

NakanoNakaruthin ページ16

今日は入っていた仕事がバラシになって急にオフができてしまったので、彼女に会いに行こうと思う。だけどサプライズ訪問なんかしても会えるかどうかは正直微妙な賭けだ。
電話をかけてみるものの、3コール目で出ないので諦めて切る。出る気があるときはすぐに出るタイプの人だ。出ないときは出る気がないかスマホを見ていないかのどちらかだ。

「今日はどこ行ってるんだろうな...」

なんとなく今日は彼女の家から電車一本で行ける海に行ってみた。すると、青いワンピースを着た彼女が海風にスカートをはためかせながらそこにいた。

『あれ?悠だ〜、どうしてここがわかったの〜?』
「今日は天気もいいですし割と暖かいじゃないですか。それにこの前海の色のワンピース買ったって話を聞いたので、今日は海かな、と思って」
『なるほど〜もうすっかりあたし通だね」

よしよし、と頭を撫でてくる彼女に少し気恥ずかしいけれどもされるがままになる。
犬かはたまた子供のように扱われているにも関わらず心地よく感じてしまうのは、きっと相手が彼女だからだろう。

「今日もスマホを持たずに出かけてきたんですか」
『うん。あ、もしかして電話くれたの?』
「はい、突然のオフだったんで。急に押しかけたら迷惑かなとも」
『ふふ、折角のお休みならゆっくりすればいいのに〜。そんなにあたしのこと好きなんだ?』
「そうですよ」

僕の返答が予想外だったのか、大きな目をさらに大きくさせてこちらを見つめた彼女の反応が面白くてつい吹き出してしまった。

「そんなに意外でした?」
『そうだね〜。悠が素直だと珍しいね、明日は雨かなぁ』

そろそろ洗濯物が溜まってきたから困っちゃうなぁと失礼なことを言いながら波打ち際ではしゃぐ彼女は海から陽の光の反射を受けてまるで宝石のように煌めいて見えた。
その姿があまりに眩しくて、見つめているだけで胸が苦しくなってしまうほどだった。

『わっ』
「危ない!」

転びかけた彼女をすんでのところで抱きとめると、血の流れた人間特有の温かさを感じて安心する。

「気をつけてくださいよ...無事でよかったですけど」
『ふふ、ありがと』
「反省してないですよね?」
『だって悠が助けてくれるって信じてるもん』
「あなたが僕のそばから離れないでくれたらちゃんと守れるんですけどね」
『ごめんね〜』
「まあ、自由なところがあなたの魅力でもあるんですけどね」

♡→←3.放浪癖がある子の話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
201人がお気に入り
設定タグ:お笑い芸人   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:苺砂糖 | 作成日時:2024年2月10日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。