選択肢なんて、いくらでも。【ナカノヒトゲノム】part2

▽92.発案！改造計画 ページ47

「そしてそして、リボンの側面を調べて見てください！」


言われる通りリボンの側面を調べてみる。

……うん。
ファスナーだねファスナー。ファス……


「なぁ!?え、これファスナー!?」

「はい、中に物を入れられる仕様になってます。リボンがそこそこの大きさなのでポケットティッシュとか入れられますね」

「超近未来的」

「この案は忍霧さんが」

「忍霧さん!?」

「改造するなら実用性もあったほうがいいと思ってな。Aはナイフを所持しているだろう。ナイフはすぐに取りだしやすい場所に入れておくのもいいが、仕込むのも一つの手だ。それにヘアバンドにナイフなんて誰も思わないろうし効果的だ」

「マジで誰も思わねーよんなもん!!」

「あ、ありがとうございます忍霧さんお気遣い嬉しいです!!」


マスクをしているから表情はわからないものの、目が完全に「反応をプリーズ……どっかというといい反応をプリーズ」と言っていたため即座に返答した。

ヘアバンドに物を仕舞う。産まれてこのかた聞いたことないよすごい新種。
さすがです忍霧さんツッコミどころあるけど気遣いに感謝して何も言いません本当にありがとうございました。


「だが、折りたたみナイフといえどそれほどの重さの物を入れると形も崩れるし頭に負担もかかる。だから布を強化しスエードなるものにした。Aは怪我もしているからね」

「スエード……ってブーツとか手袋とかに使われるやつですよね。えっ？」

「あぁ。まぁ言ってもただのちょっと耐久性のある布くらいだから期待はできないにゃ」


……強化とか仕舞うとか発想力とか一体何者なんだこの人達。
それに出来も良すぎて売り物みたいなんだけど。

速報、13番街メンバーは天才的発想と技術を持つ。


「それでねAちゃん。実は布を裁ってくれたのは全部逢河さんなのよ」

「えっマキノさんが……!?」

「……この前、ブランケットかけてくれた。だから……ありがとう」

「この前……あっ、マンイーターの！いえいえそんな寒そうだったからついやっちゃっただけで！むしろ温もりが残ってそうなもんかけちゃって悪いというかアッなんか嬉しくぁwせdrftgyふじこlp」

「しっかりしろや」

「ツッコミありがとうやで工藤」

「鳩尾殴られたいか」

「ごめんなさい調子乗りました」


指鳴らすのやめて。

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