選択肢なんて、いくらでも。【ナカノヒトゲノム】part2

▽89.発案！改造計画 ページ44

「……あ？テメー何してんだよ」

「見ての通りラウンジから追い出されて途方にくれてる」

「なんかしたのかよ……」


あれから私も手伝おうとしたら「Aはお楽しみで待っていてくれ。ボクらだけで改造する」と言われ無理矢理ラウンジから追い出された。
そして扉の前でむなしく座り込む今。

挙げ句の果てにヒミコちゃんと忍霧さんも巻き込んでほぼ全員で作業をしている。
マキノさんも中にいるけど多分参加はしてないと思う。寝てるだろうし。


「……いや私がなんかしたんじゃなくて逆に私が今なんかされてる」

「は？」


眉間にしわをよせる駆堂。現状を伝えるのも面倒くさくてチョンチョン、と指で中をさした。




「次はここを縫えばいいな。裁縫は得意なんだボクに任せ……」

「あっ待ってくださいこのパーツを先に付けないと次に繋がらなくなります……！」

「えっ、どうしようひーみん！」

「だ、大丈夫ですユズ先輩！多分こことここを縫い合わせれば……ってあれ？」

「あああもうそこやっちゃったら糸切って最初からやらないとダメになるんだってば!!あんた二人の話聞きなさいよ!!
鬼ヶ崎さんそこ邪魔です何もしないでつっ立ってるだけならヘアバンド改造計画にわざわざしゃしゃり出ないでください!!」

「俺ァ裁縫できないんでェ……他のことやるから勘弁してくんな」

「じゃあ鬼ヶ崎この皆が暴れたせいで散らばったまち針集めるのを手伝え！俺一人じゃいつまでたっても終わらない……！」





「…………」

「……そういうこと」


もう色々とカオス。ラウンジ内がカオス。大惨事。
私のヘアバンドは元気な姿で返って来てくれるのかな。ははは。

駆堂は片目尻を痙攣させながら視線をゆっくり私の頭へと移すと、納得するように顔を歪めた。


「ぜってー入りたくねぇ……つーかオメーいいのかよ……あれ絶対やべーぞ」

「いいわけないだろが。ああどうしよう最終的にプロペラとかとり付けてタケコプターになってたら……」

「オメー空を自由に飛ぶことになんぞ」

「オウ……私ノー青いたぬきィ……」

「まぁオカルト女もいるしそこらは大丈夫だろ」

「うーん」


今のカリンちゃんかなりハイになってないかな。大丈夫なのかな。

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