▽82.鬼退治 ページ37
気付けばアカツキ君の背中を撫でていた。
「無理しないでね。大丈夫?」
「はい。ありがとうございます」
「……はは、ほんとアカツキ君いつも笑顔で尊敬するよ」
「Aさんもよく笑うじゃないですか。引いた笑みよく見ますよ」
「うん引いた笑みはよくないかな」
そんな引き笑いしてたっけ。思いあたるとすればパカさんか……。いや、ベストオブ引き笑いはカイさんかな。
いやどっちにしろ良くないわ。
「私もね、全治4ヶ月の大怪我したことあってさ。もう心細くて怖くてしょうがなかったの。治るのかなって不安になったりして」
「……そうなんですか」
「うん。今でもその時のことを思い出すと気分悪くなる、けどもうとっくに諦めついてて。なんにも動じないアカツキ君がすごいなって思う」
そう言いながらアカツキ君の顔を伺うと、少し間を開けた後「そうなんですかね。俺にはわからないです」と薄く微笑んだ。
ほんと肝座ってるな。
「じゃあその怪我も……怖かったりするんですか?」
「頭?うーんどうだろう。その時もこんな感じだったから特になんともないかな」
「無理しないでくださいね」
「ありがとう。そっくりそのままお返しします」
なぜか急に湧き出た母性本能に負けアカツキ君の頭を撫でる。
ふと静かなカイさんに目をやるとバチッと目が合ったがすぐに逸らされた。
……なんだろう。結構傷つくんだけど。
「あっ、後ろでイチャついてすみません」
「……ははっ、まったくだねェ」
「あれこれツッコミなしなんですかね……俺が?」
「駆堂がいない恐怖を知ったもう言わん」
・
「うわ……これまた牢屋って感じの……」
薄暗い部屋。扉を開ければ両側に鉄製の牢屋が見えた。
ずっとここにいたら病みそう。カリンちゃんはどこだ。
「おっ、鬼ヶ崎さんAちゃん〜……!」
「カリンちゃん!」
「よ、お待ちどうさん。今開ける」
「うん……!うん……」
格子を掴むカリンちゃんの目線は、カイさんの背中で眠るアカツキ君に送られる。
「安静にしてやんな。多分折れてる」
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水野ひのは(プロフ) - 鬼ヶ崎カイコクさん» ふぁえ…!?カイさん!?まさかの次元を越えて遥々ありがとうございます。ご本人登場に驚きで目をかっぴらいたと共に笑っちゃいました。嬉しそうなの可愛いです…。いい刺激を頂いて力みます!長旅お疲れ様でした…。 (2019年8月25日 14時) (レス) id: 8eec0cab53 (このIDを非表示/違反報告)
鬼ヶ崎カイコク - 俺かっこよすぎじゃねぇか?(嬉しそう) (2019年8月25日 14時) (レス) id: 567b9ad697 (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 通行人Mさん» 毎度お早い拝読ありがとうございます。わわ…今度は一息ついて頂けるようこちらも息をおきます。そう言って頂けると私も夢主ちゃんも大歓喜です…!皆ワチャワチャラウンジ大惨事の会でした。ありがとうございます! (2019年8月25日 9時) (レス) id: 8eec0cab53 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 更新ありがとうございます!!!鬼退治編も終わり、一息つこうかと思ったところで、ヘアバンド改造。いやぁ、いい物見させて頂きました…。そして心の準備が出来てないうちに作世ちゃんの絵で見事、惚れました…。可愛いがすぎる。皆がワチャワチャしてて面白かったです! (2019年8月25日 9時) (レス) id: b074e68c40 (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 通行人Mさん» お陰様でいよいよです…。ほとんど成り行きですが共に行動が多いですね忍霧夢主、鬼ヶ崎ストッパー、和ませ役(爆)ですね。いつも誠にありがとうございます!労って頂けて癒しです…頑張ります! (2019年8月23日 12時) (レス) id: 8eec0cab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水野ひのは | 作成日時:2019年7月27日 18時