選択肢なんて、いくらでも。【ナカノヒトゲノム】part2

▽67.鬼退治　メンバー選出 ページ22

「で、Aは強制でアウトとして……他に立候補は……」


ピンッ、とアカツキ君が手を挙げる。


「……だと思ったよ」


うん普段通りで何より。私はだいぶ醜態さらしたけど。たぶん夢だった。


「ただこれだと野郎ばっかだぜ。肝心の娘がいねぇが大丈夫かい？」
「私が行ければいいんですけど……すみません」
「Aちゃんはクールダウンしな」


クールダウンします。

するといつの間にかアカツキ君がアホ毛にリボンをくくりつけていたことに気付いたカイさんは「あァ似合ってる似合ってる」と気のない返事を返した。



「はるか古より伝わる巻物によると……彼奴らボンキュッボンを好むと伝承されておりますじゃ……」


キハチさんの衝撃の一言。そしてまたもや再来する静かな空間。
直後、またもや駆堂はキハチさんを掴み上げた。


「厳かに何言ってんだジジィ……」

「お……おぐう……」

「お、おじいちゃぁぁん!!」

「あーもう……じゃあオカルト女！行け！」

「いやよ!!もともと冗談じゃないけど今の流れで尚更嫌だわ!!」

「あ!?順番的にもテメーが適任だろーが!!」

「いや!!あんたが肉まん二つつけて行けばいいじゃない!!」

「誰がつけるか!!」

「あの……火傷するのでサラシとか巻いたほうが……」

「的確なアドバイスいらねーよ!!」

「大丈夫全然ナイスアドバイスだよヒミコちゃん」

「テメーはなんなんだヒミコ信者!!」


あの、駆堂疲れないのかな。そろそろクールダウンしたほうがよくない？何言われても冷静を保てるように、決して揺らがない心を持てよ。


「待て。駆堂は顔が邪悪だ。かえって鬼を刺激するのでは……」

「表出ろやコルアァァ!!つーかテメーが生け贄やれや!!」

「イイネ！」

「あ、私もそれは賛成でーす……」

「そうそうザッくんなら女装もきっと似合……」

「俺は女装だけはしない」

「でも似合……」

「しない。それでも強要するなら俺はここで舌を噛み切る」

「こんな頑なな忍霧さん初めて見ました」


仕方ない。
消去法にも近い方法で自然とターゲットはカイさんにしぼられる。

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