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生徒会長VS提出 ページ2

正座する男の前に仁王立ちする僕―――晴天(くもなし)Aは私立聖蘭学園高校部の生徒会長である。
僕の前で反省の表情を毛程も見せず正座するこの男は、一朔夜(にのまえ さくや)という。彼もこの学園の生徒であり、偶然にも僕のクラスメイトであった、偶然にも。そう、偶然だ。僕がこの場に立っている理由もその偶然が積み重なった結果である。

―――
現在から遡ること40分前。僕は学校の職員室へ新年度の学校のあれそれを書き連ねた資料を提出しに訪れていた。

「晴天、ご苦労様」
「いえ!あ、不備があったら仰って下さいね?すぐに訂正版作りますから」
「あぁ、そうするよ。ありがとうな」

そう言って腰を掛けたまま僕の頭をガシガシと撫でるのは生徒会顧問―――乾貴人(いぬい たかと)先生だ。教科は体育担当で、黒髪短髪の似合う整った顔立ちに、長身ながっしりとした身体、性格が生真面目で生徒指導の鬼と陰で疎まれているが、僕は真っ直ぐな先生を尊敬している。
まぁ、僕とは真逆の男らしい容姿に憧れているというのもあるけど…。

「晴天、今日はもう帰るのか?」
「あ、はい。生徒会の仕事もキリがついたので、先生に提出したら帰ろうと思っていました」
「そうか。確か晴天の家はあっちだったか」
「いや、えっと、たぶんこっちだと…」

先生と僕は互に違う方向を指した。実は僕は屋内に入ると外の方向感覚がなくなるから、あまり自信がないのだが、乾先生の指す方はおそらく真逆だと思った。

「ん…?最寄り駅の方面だったよな」
「はい…。そうですけど、あれ?駅ってあっちでしたよね?」
「いや、駅はこっちだ」
「「………?」」

僕らを沈黙が包んだ時、乾先生の隣に座っていた先生が呆れた目で言った。

「駅は、そっちです」
「「あ、はい」」

乾先生との間に再び静寂が訪れた。

「…あの。先生に対して失礼なのは承知で言うんですけど、乾先生って方向音ch 「違う。」あっ…」

僕は知っている。酔っ払っている人間ほど「酔ってない酔ってない」と否定するよろしく、方向音痴の人間ほど「自分は方向音痴ではない」と否定することを。
なぜこんな事を言えるかと言うと、僕自身、少し方向音痴だからだ、少し。少しだけ。だから、僕にはわかる。乾先生は方向音痴だ。

乾先生の意外な一面を発見したところで、とある依頼を受ける。

生徒会長VS不登校→←生徒会長VS運命


ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:男主 , BL , オリジナル   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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そろばん - 更新頑張ってください!戻ってきていただけて嬉しいです(*>ω<*) コメントしつれいしますた! (2017年3月6日 1時) (レス) id: 1578766265 (このIDを非表示/違反報告)
眼帯@引退作者(プロフ) - 蘭さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!励みになります!亀さん更新ですが、一回一回の質を高くしていきますので、温かい目で見守っていただけると幸いです。 (2017年2月26日 2時) (レス) id: aa33a52c48 (このIDを非表示/違反報告)
眼帯@引退作者(プロフ) - ひーこさん» 本当ですかっ?!とっても嬉しいですっ!設定だけ持ってきたような作品になりそうですが、楽しんで頂けるよう、精進します(*`・ω・´)コメント・応援ありがとうございました! (2017年2月26日 2時) (レス) id: aa33a52c48 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ続き気になります!!!更新頑張ってください!! (2017年1月21日 16時) (レス) id: 8c5744d643 (このIDを非表示/違反報告)
ひーこ(プロフ) - 三年前もこの小説の大ファンでした!!楽しみにしています!!更新頑張ってください! (2017年1月2日 21時) (レス) id: 464a5e0fbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眼帯@復帰 | 作成日時:2016年11月30日 18時

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