甘く苦いブラックコーヒー 2 (ページ10)

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放送日の朝がやってきた。

｢ほら、大貴、見てよ｣
有岡｢わ、まじか…Aテレビに出てるよ｣
｢わ～～なんかすごいね、テレビの取材とか、出ても実感わかない｣
有岡｢ほんと、すげぇな、こりゃ今日から店混むなぁ笑｣

約10分の特集だったけれど。宣伝効果は抜群だと予想していた。なんせ、店主イケメンだし。

｢じゃ、行ってくるね、｣
有岡｢多忙で倒れんなよ～～？｣
｢倒れるわけないでしょ？笑いってきまーす｣

今日から忙しくなる。私は、そんなドキドキ感に胸を踊らせながら出勤した。

｢おはようございま～す！｣
中島｢…おはよ、｣
｢今朝のテレビみました？｣
中島｢みたよ、うちの嫁と、2人で。｣
｢… そう、ですか｣

なんだか、裕翔くんの様子がおかしかった。
そんな違和感を感じながら、準備を始めようとする。

中島｢ねぇ、｣
｢…？｣
中島｢…伊野尾先輩の元カノって、Aさんなの？｣
｢へ、… なんでそんなこと、急に｣
中島｢そうなの？｣
｢… そうですけど｣

はぁ。裕翔くんは頭を掻きながら大きくため息を吐いた。

中島｢……ごめんだけど、出て行ってくれないかな｣
｢…え？｣

いいから。そう言って、裕翔くんにお店から出される。

｢…ちょ、裕翔くん、…どうしてそんな、急に｣
中島｢俺の嫁｣
｢…？｣
中島｢中島梨子って言うんだけど｣
｢…え？｣
中島｢旧姓は、橋田。…ね、もう分かったでしょ？｣

中島「わかったらさっさと出ていけ。｣

あんな裕翔くん、はじめてみた。
… まさか、裕翔くんの奥さんが梨子ちゃんだったなんて。

私は、過去の過ちに、こんなに苦しめられるなんて、思ってもいなかった。

自業自得だ。