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初めて教会に行った日から5回目の冬が来た
最近わかった事なのだが、もうすぐ私に下の子ができる
私はお姉さんになるんです！
日課の朝のお祈りにも気合が入り最近は教会に行き祈りを捧げている
「今日も教会に行かなくちゃ」
お母さんからもらったクロスネックレスを下げ
使い込まれた布を羽織り家を出た
歩き慣れた道を早足で進んでいく
すれ違う人にはちゃんと挨拶をして
困っている人には惜しまず手を貸す
そう、神様の教えに従って
大人でも少し遠いと感じる距離を経てやっとたどり着いた
5年前とは違ってきれいに建て替えられ大きくなった教会
中はあの時と同じように暖炉があり暖かい
神父様に挨拶をし、共に祈る
大きな教会とは逆に人はいない
領主たちは教会の大きさを競い合っているのでは？と話していた
もしそうであるなら少し腹立たしい…
神様は権力を示すものではないのに
あたかも道具のように思っている
「神様、災いから私の家族をどうかお守りください」
膝をつき、そっと目を伏せ胸の前でネックレスを握り手を組む
「Aちゃん、ご苦労様
お家が遠いのにえらいねぇ」
「だって神父様、私もう直ぐお姉さんになるんだもん！毎日だってこれるわ！」
「おお、それはめでたい
きみに、神の御加護があらんことを」
「どうして私なの？」
「家族思いのいい子の君を見ていたら祈りたくなったんだよ」
「えへへ
ありがとう、神父様
あ！私そろそろ帰らなくっちゃ！お手伝いしないといけないの」
「そうかそうか、では雪に気をつけて帰るんだよ」
「はい！さようなら〜！』
笑顔で家路へとかけていく少女
しかしこの後笑顔は絶望に変わるのでした
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作者名：ノラねこれれん | 作成日時：2020年8月23日 3時
