オワリノハジマリ ページ2
ぎゃーぎゃー騒がしいクラスメイトの笑い声と、この凸凹した山道のせいで揺れるバスの乗り心地に不快感を覚えて寝ようにも寝れない。
重たい瞼を上げると先程からさほど変わらない木々の風景が流れていて、全く気が滅入る。
「…まだ着かんの。」
隣の席に愛想悪く呟くと「廉さぁ、全然目ぇ覚まないから死んじゃったのかと思ったわ！｣と、らしい言葉が帰ってきた。少しでも気分を晴らしてくれようとする親友に俺も「何言っとんねん｣と笑って返した。
優太は明るくて面白くて人見知りな俺でもすぐ仲良くなれた。人間関係の狭い俺にとっては唯一無二の存在と言っても過言では無いのだ。
その会話を聞いていたのか、前の席からひょいと小さな顔を覗かせて
「高速道路が事故で通行止めらしいよ。
下道で帰るんだって〜。」
親切にそう教えてくれたのは紫耀。
天然だけどいざと言う時は頼りになるクラスの中心的存在だ。性格は勿論、顔もこの上なく良い。だが特別仲がいいという訳では無かった。
・
「学校着くの何時になるかなぁ、」
「それな…。」
優太と顔を見合わせて思わず深いため息をついた。…と言っても意外と俺たち二人の意見は少数派らしい。皆携帯をさわったり友達と談笑したり、それぞれ帰りのバスを楽しんでる様子だった。
次目を開けた時には学校でありますように…
そんな願いを込めてまた視界をシャットダウンしたその時、バスが悲鳴を上げた。
大きく前方に引っ張られる身体。
一斉に可愛げのないドスの効いた男達の声が停止したバス内に響き渡る。
「お前ら状況分かるまで席座っとけよ〜」
先生はその内ザワザワと戸惑い始める生徒達にそう声をかけると、大丈夫ですか？と運転手さんへついてバスの外に出ていった。
プシュー、と空気が抜けるような音がしているからエンストでもしたのだろうか？
お陰ですっかり眠気なんて覚めてしまって今何が起こっているのか、煙に覆われている窓の外を確認してみると
思わず息を飲んだ。
「なんだよあれ…。」
「え、なぁ優太、あれ本物なん…？」
「分かんないけど、…あんなの作ってどうするんだよ？」
優太にも見えるのなら
じゃあ、あれは人間の手で間違え無いのだろう。しかも無数の。地上に助けを求めるように藻掻く形に曲がった指が悍ましさを倍増させている。
その気持ち悪さに思わず顔を歪めた。
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tomatorio(プロフ) - 廉稀さん» コメントありがとうございます^ ^面白かったですよね〜！私はずっとこの3人に置き換えて見てました笑応援を糧にたくさん更新していきますね！表現が難しい所がありますが引き続き楽しんでいただけると幸いです^ ^ (2020年4月28日 23時) (
レス) id: 0d9adab2b4 (このIDを非表示/違反報告)
廉稀(プロフ) - tomatorioさん» 私もこのドラマ見てました！ れんれん版が読めてうれしいです。 更新頑張ってください！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: f61140efd3 (このIDを非表示/違反報告)
tomatorio(プロフ) - キャニスさん» コメントありがとうございます^ ^お見苦しい文章ばかりなのに…とても嬉しいです(;_;)どんどん更新していくので引き続き楽しんで頂けると幸いです^ ^ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 0d9adab2b4 (このIDを非表示/違反報告)
キャニス(プロフ) - あるドラマのパロディーという事ですが、私は初見なので興味深く拝読しています。続きが気になっています！更新が楽しみです！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 3ff35d4079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗 | 作成日時：2020年4月26日 22時
