己が為に乞う言葉なれ (ページ2)

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始まりに響くその音はページ2

チャイムの音が聞こえる。

生徒達のざわざわした声はやがて遠くに消えてい
き、小鳥のさえずり以外の音は、一切遮断された
ようだった。

所詮授業中とでも言うべきこの時間に、なぜ俺が
外にいるのか。

別に喧嘩をしているだとか、如何わしいことをし
ているだとか、人に聞かれて困るようなことはし
ていない。

ただのサボりである。

入学式にサボりだなんて、何かあったのか。

そんな心配は無用だ。

特になにもない。というか、なにもないので、今
ここにいるのである。…

いやだってさ、入学式とかめんどくさくない？
わざわざ？自己紹介して？教科書とか配って？
そんで？イチャイチャのカップルとか？友達と
か？できるんでしょ？めんどくさいよねぇ！…

やめよう、僻みは。もし誰かに心を覗かれでもし
たら大変である。

まぁともあれ、上記の通り、俺は隠キャで暗くて
人見知りの、所詮は「非リア」である。