本当に好きな人

好き。14 ページ15

煌を出発するのは3日後


それまで私はここで過ごすんだ


緑凛「姫様…」


『緑凛』


緑凛「はい」


『何故、あんなに焦っていたの？いつも冷静なのに』


緑凛は黙り込んだ


ゆっくり口を開いたかと思うとまた閉じて


それが何度か続いた


私は緑凛が話すまで黙っていた


緑凛「姫様の愛する人との婚約破棄、どうしても悔しくて」


『私の愛する人？』


緑凛「はい、首の跡を触りながらあんなにも嬉しそうた顔をするなんて

あんな顔を見たのは初めてでした」


そう語る緑凛は幸せそうだった


私の大切な従者であり


私の1番最初の眷属の持ち主


私の心まで分かっていてくれたんだ


『・・・どうしよう緑凛』


緑凛「はい」


『嫌だ、絶対に嫌だ』


緑凛「はい」


『婚約破棄なんて、嫌だ』


緑凛「はい」


『お姉様と紅覇様が結婚なんて嫌だ』


私は緑凛に抱きしめてもらった


暖かいけど、涙は止まらない


やっと気付けた愛なんだ


崩れたくない


でも、遅いのかな


今からでも間に合うかな

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