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壱ノ壱 家出 ページ5

【煉獄さんと柱多数】


杏寿郎の様子が可笑しい。完全にいつも死んでいる瞳が、死神みたいな目付きになっている。隈もできていてより迫力もあった。

「何かあったのかよ、煉獄」



宇髄が用意された、茶をすすりながら聞いてきた。それには胡蝶も気になっていたようで、身を乗り出す。

「そうですね。いつもの笑顔が消えてます」



「いやな。屋敷に帰ったら、“探さないでください”と紙が一枚、置いてあって……」



「弟か?家出か、それは大変だな。まあ、そういう時はある。反抗期だろ、少し派手なだけだ」



「そうよぉ。弟君も人間なんだから!!」



そう言って甘露寺が、甘味を口に放り込んだ。それは一理ある。けれども、消えたのは千寿郎ではないのである。

千寿郎なら、瞬く間に探せる自信があるし、あの子は良い子だ。家出なんて、反抗期がきていない今はやるはずもない。

「いや、違う…。千寿郎じゃない」



「じゃあ、父親か?」



「愼寿郎殿がか……?」



首を傾け、宇髄の隣でお茶をすするのは水柱である冨岡義勇。この茶会の参加者はこの五人である。

「いや、父上でもない」



「じゃあ、誰なんです?」



「……嫁だ」



「ブッ……!!」



宇髄がお茶を吹き出す。



「は」



胡蝶は湯呑みを落として、割った。



「ゴフっ」



甘露寺は、甘味を喉に詰まらせる。



「………」



冨岡は無言で白目を向いた。



「……はぁ。A、何処に行ったのだ…」



それを目にもくれず、溜め息をつく杏寿郎。



なんとも、言えない空気になる。初めに意識を取り戻したのは、胡蝶と宇髄だった。

「煉獄さん、結婚なさってたんですか?」



「おいおい!?お前の妄想じゃなくて?」



「言ってなかったか?これが、Aだ」



懐から写真を取り出す杏寿郎。その写真を取り囲むようにして、机に四柱は集まった。

壱ノ弐 家出→←追憶ノ参___一生を共に



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ユリ(プロフ) - 出来ればでいいんですが、後日談的なものがみたいです (2020年8月26日 18時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - ユリさん» 最後まで読んで下さり、本当にありがとう御座いました。またこの作品に顔を出してもらえると嬉しいです。 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで感動しっぱなしでした (2020年3月2日 11時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - アリスさん» 毎度毎度、遅くて申し訳ないです!!最近、スランプ中でして……。どうにか必死に更新をしたいと思います……!! (2020年2月23日 10時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがものすごく気になってそわそわして寝られません。更新頑張ってください (2020年2月21日 22時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セニオリス | 作成日時:2019年7月8日 14時

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