玖ノ弐 命が散るということ ページ39
【愛する君に捧げた心臓】
「……一つ、訂正させてほしい」
『……』
「俺はあの日、“一生”添い続けて欲しいと。この命潰えるまで、と。君に伝えた」
『……』
「俺は、君に初恋を捧げた。それは何度生まれ変わろうとだ。“永遠”に君の側にいたい。だから……」
『……』
「死が二人を分かつまで、なんていうことは止めてくれ。俺は何度生まれ変わっても、君を絶対に探し出すから」
香ったのは白梅香。感情の読み取れない表情で水面に立っているAは、その言葉を聞いた瞬間、驚いたように瞳を丸くした。
口元に軽く手を添えて、柔らかな光を宿す瞳から大粒の雫が零れたのだ。とても大切なものを思い出したように。幸せそうに。
『杏寿郎、さん』
「うむ」
『私、待つことは好きです』
「……」
『でも、待てないですから。私も貴方のことを探します。例え、巡り逢えない運命だとしても』
「嗚呼」
水面に波紋が広がった。瞬きをした時にはAの姿は消えている。
「愛している、これからもずっと」
瞼が重くなった。
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ユリ(プロフ) - 出来ればでいいんですが、後日談的なものがみたいです (2020年8月26日 18時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - ユリさん» 最後まで読んで下さり、本当にありがとう御座いました。またこの作品に顔を出してもらえると嬉しいです。 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで感動しっぱなしでした (2020年3月2日 11時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - アリスさん» 毎度毎度、遅くて申し訳ないです!!最近、スランプ中でして……。どうにか必死に更新をしたいと思います……!! (2020年2月23日 10時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがものすごく気になってそわそわして寝られません。更新頑張ってください (2020年2月21日 22時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セニオリス | 作成日時:2019年7月8日 14時