生徒会長始めました(雑用係) (ページ29)

今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:16,325 hit

・ページ29

昨日、海くんが戻ってこなかったことが気になり、朝生徒会室に行くと

2『あれ？なにしにきたんですか？』

やはり海くんがいた

前に朝は基本生徒会室にいるって言ってたもんね

「昨日、出来上がったプリント見せられなかったから確認貰いに来ました」

まだ海くんとは距離感が掴めてないため敬語が混ざった変な言葉になってしまう

2『わざわざ、ありがとうございます。じゃあ早速見せてもらいますね』

パソコンをカチカチと動かし昨日作ったプリントに目を通していく海くんはなんだか酷く疲れているような顔をしている

「なんか疲れてる？」

ふと気になり聞いてみる

2『そんなに疲れている顔してますか？』

「いや、えっと…はい。」

いつもにこにことしていて、的確な指示を出している海くんとは程遠いような

なにかを諦めて、遠くを見ているかのような顔をしながら聞き返されるから動揺して変な返し方になってしまう

2『いや、はい。ってどっちなんですかw』

見間違えかな。と思うほどすぐに笑顔に戻ったけど

「ねぇ、海くん。もしかして…」

なにかあった？

そう言おうとした言葉は

3『おはようございます』

生徒会室に入ってきた稜雅くんの挨拶によって遮られた

2『おー稜雅。今日は寝坊しなかったんだ』

3『うっせw』

なんだろう…稜雅くんが入ってきた時に海くんの雰囲気が

無機質な誰も受け入れないような雰囲気から、陽だまりのような優しい雰囲気にガラリと変わったような…

もしかして私、海くんに嫌われてる！？

3『A先輩？口開けて固まってますけど大丈夫ですか？』

フリフリと顔の前で手を振られて我に返る

あれ…？

「稜雅くん！目、今自分から長い間合わせてくれてたよね！！」

そう言うと真っ赤になって慌てて目線を外し

3『頑張ってみたんですけど、言われると恥ずかしいですね…』

なんて言うから、海くんの雰囲気の件なんて頭から吹き飛んでしまった

「このまま他の人とも目を合わせられるようになるといいね！」

すごい進歩だ！と喜ぶ私には

2『へぇー、俺らに慣れるのも時間かかったあの稜雅がねぇ』

後ろでしみじみと呟いている海くんの言葉は聞こえなかった