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「チーフの、喜多見と言います。いやぁ、さっきは本当に助かりました。初出動で死者はゼロ。いいスタートですね。」
「喜多見チーフのやり方では続かないと思いますよ。」
「はい？」
「レスキュー隊がトラックを切断している中でオペをするなんて聞いたことがありません。オペは安全で衛生的な場所で行うべきです。」
「おぉ、ですね。」
「それに、医師が死んだら他の命も共倒れになってしまう。だからこそ医師は、安全な場所で待機するべきです。」
「うん。でも、待ってるだけじゃ助けられない命っていうのもありますから。まぁ、難しい話は抜きにして、協力して命を救うことができたんだから喜びましょうよ。」
そういって喜多見チーフが手を差し出した。
「不必要な接触は避けましょう。」
「おぉ、ですね。じゃ、帰りましょうか！」
「はい。」「「はい。」」「よし。」
「はぁ、何で私がこんなところに…。」
一人で先に歩き始めた音羽先生を見て私はつい言ってしまった。近くにいた比奈先生の呟きが分からないくらいには大きな声で。
『感じ悪。』
「玲奈先生、意外とはっきり言うんですね。」
「玲奈せんせ、意外と口悪いデス。」
「喜多見チーフ、ミンさん…。」
『え、もしかして私口に出してました？』
「「「「「はい。」」」」」
『やば、音羽先生に聞こえてないですよね！？』
「さぁ、分からないっすよ？今頃、玲奈先生のことクビにしようって思ってるかも…。」
『ちょ、徳丸君やめてください！』
「多分、大丈夫だと思いますよ。」
『夏梅さん、多分ってどういうことですか…！』
「玲奈先生の新しい一面が知れて、私嬉しいデス！」
『私的には知られたくないです！』
「玲奈先生、イメージと違います。」
『比奈先生。私どんな印象もたれてるんですか…？』
「静かで、冷静で、頼れる方、ですね。」
「喜多見チーフ言う通り！玲奈先生のイメージってそんな感じデス！できる医者って感じ！」
『そんなことないですよ…。』
「でも、玲奈先生ってかわいらしい一面もありますよね。」
「そうなんデスカ！？」
「うん。前、救命に行ったときにたまたま玲奈先生見かけて。そのとき救命の方と話してたけどすっごくにこにこしてて楽しそうだった。例えるなら、、、犬？」
『ちょ、夏梅さん！』
「確かに、玲奈先生犬っぽいところありますよね！さっきも俺たちが来たときめっちゃ嬉しそうで、尻尾見えそうでしたもん。」
『徳丸君まで！？』
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作者名：玲奈 | 作成日時：2021年10月2日 10時
