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「都知事のポイント稼ぎで設置されたあれか。救助活動が終わるまで引っ込んでてください。」
「そういうわけにはいきませんよ。千住さん。こっちも仕事ですから。」
「医者は安全なオペ室で待ってろ。危険な現場から人を救うのは俺たちの仕事だ。現場の指揮権はこちらにある。」
「縦割り云々言ってる場合じゃないでしょう。大事なのは命を救うことですよ。」

「千住隊長開きました。」
「よし、安全確認してから中へ。」

喜多見チーフ動き始めたけどまさか…。

「おい、まて!」

「噓でしょ…?」
『ちょっ、喜多見チーフ!?危ないですって!!』
「玲奈先生たちは来なくていいですから、治療の準備しといてください!」
『そういう問題じゃないですって!!』

隣で比奈先生はあきれてるし、私も必死に引き留めようとしたが喜多見チーフは静止も聞かずにバスの中に入ってしまった。レスキュー隊の千住さん(?)も一緒に行っちゃったし…。

『あぁ、もう!』
「とりあえず、準備して待っときましょう。」

夏梅さんの言葉に頷いていったん冷静になる。準備をしていると思いのほかすぐに喜多見チーフが戻ってきた。小さな女の子を抱いて。

「心停止。夏梅さんAED。」
「準備できてます。」
「比奈先生アドレナリン。」
「あ、はい。」
「玲奈先生、バスの中から赤タグの患者さんが運び出されるはずです。こちらはいいので、そちらの方を。」
『了解です。』

「めいちゃん聞こえる?頑張ろう。めいちゃん。夏梅さん膝からルート確保しますよ。」
「はい。」

喜多見チーフの指示の声を背に私はバスの方へ走った。


走ったはいいけど、なかなか患者さんが来ない。後ろを振り向くと喜多見チーフたちが蘇生をしている。そっちに行った方がいいんじゃないかと思った時、

「すみません、こちらの方お願いします!」
『はい!医者の椎名です。わかりますか?、、、モニターつけますね。血圧下がってる…。』

向こうの処置が終わったらしい。

『喜多見チーフ!!こちらの患者さん、血圧下がってます!!53、下は測れません!!』
「夏梅さんエコー用意してください。」
「はい!」
「わかりますか?ちょっと冷たくなりますよ〜?、、、ERカーに。」
「「はい。」」
「玲奈先生、こちらはいいのでバスから運び出される患者さんの方お願いできますか?」
『わかりました。搬送できる方は搬送します。』
「お願いします。」

私は運び出された患者さんがいるところの方へ走り出した。

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作者名:玲奈 | 作成日時:2021年10月2日 10時

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