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「いきなりこんなところに研修に回されるなんて、もってますね比奈先生。」
「持ってなんかないですよ。」
「比奈先生、インスタとかやってみたらどうデスか?玲奈先生も一緒に。」
「いいですねぇ。TOKYO MERの若き美人研修医・弦巻比奈、TOKYO MERの若き美人専攻医・椎名玲奈。人気出ますよ!」
「そういうつもりで医者になったわけじゃありませんから。」
『私がやったって、人気なんて出ませんよ?美人じゃありませんし。』
「そんなことないんじゃないですか?玲奈先生、お綺麗ですよ?」

チーフの準備が終わったらしい。

『ありがとうございます。あ、私だからいいですけど今の人によってはセクハラって言われるかもしれませんよ?』
「…ですね。
おし!じゃあ、行きますか。」

喜多見チーフを先頭にTO1がある車庫へと入っていく。

『いつ見てもでかいなぁ…。』
私がぼそりとつぶやく。前に一度、兼務が決まった際に見に来たがこの大きさには慣れそうもない。

「あれ、徳丸君は?」
「いますよ〜」
「早く準備してください。大事な式典なんですから。」
「毎日の整備のほうが大事っすよ。」

徳丸君が車の下から出てきた。すごいな。私だったら絶対無理。だって怖そうじゃん?←
それに私がやったら、整備どころじゃない。逆に壊す。

「これで全員ですかね。」
「あれ?もう一人医師がいるって…。」
「音羽先生なら、今日の式典には出ないそうです。」
「その先生って、うちの病院ではないんですよね?」
「大丈夫なんですか?一度も顔見せてないですけど。」
「まぁ、出動の時に来てくれれば問題ありませんから。」
『そうですけど…。顔ぐらい見せてくれても良くないですか?急に現場で会ったって、誰かわかりませんって。』
「まあまあ。そろそろ呼ばれますから、準備しましょう。ね?」

ここでメディアの前に出れば、もう後戻りはできない。小さく息を吐く。
まあ、それなりに緊張している。MERには篠原医局長はいない。私が今までにメスを握ったことがないことを知っている人もいない。ここでは一人の専攻医として扱われる。
手術をしたくないわけじゃない。逆にしたいぐらいだ。けど、、、出来るかどうか…。それだけが問題だ。MERには迷惑をかけたくはない。けど、、、

ダメダメ。暗いことばっか考えちゃ。私は、自分にできることを精一杯やるだけだ。

そして、シャッターが上げられた…。

「TOKYO MERのメンバーと、オペ室を備えた特殊緊急車両ERカーの登場です。」

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作者名:玲奈 | 作成日時:2021年10月2日 10時

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