俺の事嫌いなん…？ 2nd 〈Ren.N〉

no.57 ページ8

「ごめん、Aちゃん」


紫耀君は保健室に入ってくるや否や

そんな悲しい言葉を口にした


しかも、ハードルは？紫耀君も飛ばないの…？


「廉の勝ちだよ

　廉の方がAちゃんを助けるの早かったんだから

　それほどAちゃんを想う気持ちがあるってことじゃん」


悲しい顔のまま、彼はボソボソっと言った


廉君は少し遅れて反応をした


「紫耀かて…助けようとしてたやん」

「廉には勝てないよ！」


紫耀君の大きい声が部屋にこだました



「………ふんっ」

廉君が鼻であしらった


…まさか怒ってるの？

だとしても何に怒るのか…？


「ひぇっっっ！」


紫耀君の前で廉君に抱っこされた


紫耀くんは瞬きを一切せずに廉君の目を見てる



「ええの、俺がAいじめてても」


廉君は言い終わると同時に私のお腹をくすぐってきた


「うわっ！ひゃっ！やめへぇ〜！！」


「わぁ…

　Aちゃん可愛いなぁ…！！」


「え」



紫耀君はなぜか私のことを可愛いと言ってニヤニヤしている


「実は俺、廉といるAちゃんが好きなの！

　だからもっと見たいなぁ！」



子犬が餌を眺めるときのような瞳をして私たちを見つめてくる


ん？紫耀君がさっき言ったこと、雰囲気的にドSな廉君といる私が好きってこと？！



「…紫耀どゆこと」


「くすぐったそう！

　でも可愛い…ずっと見てられるワン！」



これは、すごい展開になってしまった

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