検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:925 hit

夜の真実 ページ5

月が、綺麗ですね。

昔から密かに語り継がれている、暗号。

最早、一般常識と言っていいほどに普及しているのに、私の頭からはすっかり抜け落ちていたみたいで。

修学旅行の夜、私にそう告げた彼は、月明かりに照らされた頬を薄紅に染めていた。

A「そうね。こんな夜は、静かな海辺ではしゃいでみたくなる。」

私がそう言うと、彼は再び挑戦をしてくれて、

彼「す、好きです。Aさん、僕の彼女になってくれませんか…?」

彼が私の、初めての恋人。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

A「う〜ん、気持ちいい快晴だ。」

彼「そうだね。絶好の、お出かけ日和。」

ぐ〜っと、大きく背伸びをしたら、眩しい太陽が目に入る。
今日は、彼と私の初デート。

正直に言うと、私は彼のことを異性として意識した訳では無い。ただ、こんな私を好いてくれる人物を大切にしたい。もっと深く知りたい、と感じた。それだけだった。
未熟な私には、まだ恋などこれっぽっちも理解出来ていなくて、いろんなことにおいて、彼に任せっきりだった。今日のプランもそう、その一つ。

彼「どう?久々の遊園地でしょ。僕、Aさんと遊園地に行くの、夢だったんだ。」

A「夢?そ、そっか。こんなことで喜んでくれるなら、私も嬉しいよ。」

本当に、私、愛されてるんだ…。

お互いに、実感の湧かないまま、時はすぎてゆく。
キャラクターショーを見たり、観覧車に乗ったり、美味しいもの巡りしたり。

どれも彼氏と一緒。それが新鮮で。私には一生無縁の出来事と思っていたから、心から楽しかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼「ねえ、あそこ入ろうよ。」

お昼を食べおえて一息ついた時、彼が指さした場所には、

A「ええっ、お化け屋敷……?」

彼「そう。苦手?」

A「苦手も苦手、大の苦手ですっ!!無理無理、入れないっっ…(。>ㅿ<。)‪‪💦‬」

必死に首をふる私の頭を両手で抑えて、彼は私を見つめる…

にやけてる、絶対楽しんでるな、こやつ。

私を見つめるその目は優しく、しかし無邪気にも輝いていた。
…なんだろう、胸が、トクン、と音を立てる。
思わず、小さく鳴る心臓に手を置いた。
心地よくて、暖かな何か。
数秒の沈黙の後、彼は私の手を引いて歩き出す。どうやら私に拒否権はないようだ。無念。

それにしても、あの小さな音は、。

夜の真実2→←春色4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:短編集 , リメル , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リメル | 作成日時:2017年11月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。