◆秘密と魔法 ページ32
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「….」
・
運転席から二宮さんが出てきて、荷台から見たことのあるキャリーケースを引っ張りだす
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ドアを閉めたら、その車に鍵をかけた。
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「ごめんね、呼び出して」
「…いえ」
・
ゴロゴロキャリーを引きながらやってきた二宮さんは、なぜか明るい表情をしていた
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「仲直りできないかもって泣いてるから、しっかりしろよ」
「….」
・
肩をパンって叩かれて、キャリーを渡された。
・
「大丈夫だよな？」
・
春の風が吹く
・
「…..はい」
・
Aのこと、一生守ります。
・
俺の言葉に、二宮さんは頷いて
そっと背を向けて歩き出した。
・
車の中に戻ったときに、このまま逃げたら本当におとぎ話だなぁと思ったけれど
・
「….A」
・
助席のドアが開いて、長い髪が風に揺れる
頬にかかったそれを払って、彼女は迷いもなくドアを閉めた。
・
俺の姿を見つけて、立ち止まって
ゆっくり、近づいてくる
・
「….久しぶり」
・
発した声が震えた
君は、長い睫毛を迷わせながら瞳を合わせる
その瞬間、今までの全てがどうでもよくなった。
・
2人で傷付け合ったことも
嘘をつきあったことも
間違った正義を、振り回したことも。
・
Aの腕が首に抱きついてきて
戸惑いながら、自分の腕も彼女の背中に回したら
・
その向こうで、二宮さんが車にエンジンを掛ける音がした
・
教えてあげようとも思った
だけど、やっと選んだ道を尊重してあげようと決めて
魔法も秘密も、全て脱ぎ捨ててきたAを抱きしめる腕を強めた。
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moma(プロフ) - 最後思わず泣いてしまいました。とても素敵なお話ですね。お疲れ様でした。 (2019年10月6日 12時) (
レス) id: 48200bde74 (このIDを非表示/違反報告)
おおみやえすけー - なんというか、プロです！想定外の終わり方！感動しました。いいお話でした！ (2018年5月27日 13時) (レス) id: 3c6cfab666 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - はじめまして。今更ながら作品を読ませて頂きました。もう胸が苦しくて切なくて…。特に二宮さんのお返事には何度も何度も号泣してしまいました。この作品はずっと心に残っていくと思います。本当に好きな作品です。ありがとうございました。 (2017年12月31日 5時) (レス) id: 1b3c0cf73c (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - とても面白かったです！ (2017年9月19日 2時) (レス) id: 40edc2cacc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - はじめまして。この作品を見つけてシリーズの最初の作品を読んだら時間なんて忘れてモヤモヤしながら夢中で読ませて頂きました。ほんとに鳥肌が立つくらい良い作品でした、読み終わった時の感情は言葉に出来ないですけどこの作品に出逢えてよかったです(*´ω｀*) (2017年6月23日 10時) (レス) id: d8eea5bcd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：.
| 作成日時：2017年3月4日 22時
