視線152 ページ17
両手に麻酔針を持ち、私はとっさに火の中に飛び込もうとした。
このままじゃあ、本当にカエデが死んでしまう!
カルマ「待ってA、いくらなんでも危険すぎる!」
『でもこのままじゃあカエデが!』
カルマ「この距離だとまずカエデちゃんに届かないでしょ!」
『だからって傍観なんてしてらんない!それにあのスピードなら、多分ギリギリ捌ける!』
カルマ「そんな訳、、、A!」
私はカルマの腕を振り切り、革靴の底についてる跳躍補助機能を解放して火の輪の中に飛び込んだ。
もう誰かが死ぬのは耐えられないから。もう誰も何も、失いたくないから。
私の手の届く範囲だけでも、守りきる!
上空にいるカエデに麻酔針を数本飛ばした。
カエデ「A、邪魔しないで!」
それを身を翻して交わしたカエデは、タコへの追撃の合間に私の方にも触手を飛ばして来た。
『くっ!』
かろうじて触手をナイフでガードする。
でも予想以上の重みに、私は吹っ飛ばされないようにするのが精一杯だった。
殺「Aさん!今は一旦退いてください!」
『タコ⁉』
いきなり顔の横にタコの顔だけ分身が飛んできて、危うく手元が狂うところだった。
殺「茅野さんの殺意が貴方にまで向かったら、先生でも守りきる自信はありません!」
『知るか!カエデは助ける!そのためなら私は多少の犠牲は容認する!』
腕なり足なり持って行ってもらって構わない。
それくらいは覚悟の上!
殺「では、、、お願いがあります」
『この状態でさらにお願い⁉何⁉』
殺「他の皆さんに茅野さんの殺意を忘れさせる何かをするようにお願いしました。Aさんは、その人が火の中に入れるように助力してください」
『分かった』
とても砕けた救助作戦の説明だったけど、大まかに読めた。
動体視力を酷使してるせいで目が充血するのを感じながら、ひたすらその時を待つ。
そして触手の攻撃が一瞬緩んだ隙を突いて、私は思いっきり地面を蹴った。
ぐるっとクラスの皆を一瞥して、渚と目が合う。
一瞬でわかった、あれは殺し屋の目だ。
私は助力すべき相手を見つけ、それと同時にタコの呻き声が響いた。
茅野がタコの心臓を貫いたのだ。
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いくつ - 誕生日デートの待ち合わせのところ赤髪が赤紙になってますかもしれないです、、、 この作品神ってます! (8月12日 19時) (レス) @page29 id: 93fef38cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Reload | 作成日時:2020年6月6日 14時